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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第241回 少子化対応にドイツと日本の違い

2013-09-18

 働けないほど年はとったがなかなか死なない老人が多い。
 適齢期になっても結婚しない。結婚しても子沢山を望むカップルがほどんどいない。
 するとどうなるか。あとに続く働き手が減るから、国の生産が減りその分国力も低下します。
 その好例がドイツと日本です。
 ドイツの人口は今の八千二百万人から二○五○年までに五千九百万人に減少します。なんとマイナス二千三百万人。
 日本も二○五○年に一億二千七百万人から一億六百万人まで減るとみられています。
 ともに四十年足らずで二千万人以上を失う計算です。
 人口を維持したければ、一人の女性が二・一人の子供を産まねばなりません。ドイツと日本の女性の出産数はともに約一・四人です。
 
 両国の少子化対策は極端に違います。
 ドイツは外国人移民に積極的で、移民募集は今休んでいるものの、五九年から九八年の四十年間に、流入超過八百七十五万人を許容しました。
 人口減少に展望をもたない日本は外国人移民にも拒否の構えです。
 八○年代、ブルーカラー市場の人手不足を日系のブラジル人、ペルー人等百万人で補いました。
 現在、家族を含め外国人労働者二百万人の一時滞在を認めるものの、帰化や永住に積極的ではありません。
 日本人は異民族を歓迎しない体質を持っています。「これを改めないと日本は滅びる」とシンガポール元首相、リー・クアンユーは指摘しています。
 「日本は高齢化や景気減速に陥っている。それは移民拒否と関係している。優秀な外国の人材を取り込むことだ」(今年三月二十三日)。
 
 世界の多くの国は逆に、人口爆発に頭を悩ませています。地球で文化生活を営む限界は百億人までといわれています。
 今の七十一億人が二○五○年に九十億人、今世紀末までに百億に達するとみられています。
 ドイツと日本は今後、一四世紀の黒死病による人口三割減以来、かつてない逆境と闘っていかねばなりません。
 
 
 


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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