苦楽歳時記
Vol. 63 訪日と体験入学
2013-09-19
今年十二歳なる娘のジョイが、初めての日本を一人で訪問した。体験入学をするためである。
日本の親戚に打診してみると、僕の甥の娘が中学一年生であることが分かった。そこの中学校に体験入学をしたいと問うと、学校のほうから喜んで受け入れるという返事がかえってきた。
ジョイは甥の娘、風花と同じクラスで、約三週間に亘り授業を受けることになった。大阪のかなり郊外の中学校で、写真で見ると山々に囲まれた閑静な雰囲気の学校で、運動場も広々としていた。初日は、ジョイも緊張していたらしく、先生も生徒の皆さんも親切であったらしい。
勉強では数学と英語は簡単らしかったみたいで、社会科はさっぱり解らなかったみたいだ。
風花がテニス部に所属しているので、ジョイも一緒に朝練と放課後の練習に毎日参加した。学校から帰ると、一目散に二人で近所の駄菓子屋へ飛んで行く。
ジョイが一番楽しみにしていたことは、吉本新喜劇を観に行くことと、大阪のお好み焼きを食べることだ。念願がかなって、『千房』でお好み焼きを食べて、『なんばグランド花月』で茂造の吉本新喜劇を観劇した。
ジョイが日本に行く前に、お好み焼きは『ゆかり』で食べるようにと伝えていたのに残念である。僕も食べることに関してはこだわりがあるのだ。
観光では、奈良の東大寺大仏殿の柱の穴潜り抜けと、鹿の餌やりが気に入ったみたいだ。京都では金閣寺の近隣の老舗旅館に泊まり、神戸ではフランス料理と南京町では、豚まんと焼売を味わったという。
ジョイは関西を後にして沖縄へ向かった。あとから風花とLAの友達エイプリルが、合流する予定になっている。
沖縄では、連日ビーチで過ごしたので、半端じゃないぐらい日焼けしていた。慶良間諸島では、シューノーケルツアーにも参加した。
どこまでも透き通る海の中で、珊瑚礁と戯れる熱帯魚と一緒になって泳いだ。「別世界だ! 超綺麗! いつまでもいたかった!」と、ジョイが感嘆の声を上げた。
沖縄本島では、近年、動物愛護の法律改正により、ハブとマングースの決闘は見られなくなってしまった。
帰米後の翌日に十二歳の誕生日を迎える娘が、少し見ないうちに随分と大きくなった。身長一メートル六十二センチ。体重七十キロ。家人と顔を見合わせて、絶句!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。