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コラム

現代社会ド突き通信
Vol.24 ヒロシマ50年目のアメリカの変化

2013-10-18

 この原稿は1995年のヒロシマ50年目のときに書いたもので、拙著「なんや、これ?アメリカと日本」に掲載されている。あの時のアメリカ・メデイアの態度になにか核をやめようという希望があったように思ったのだが、今はもっと悪くなっている。あの時のこのロサンゼルスのアメリカの雰囲気を読者にお知らせしたいと思ったので、この稿で取り上げてもらった。


 多種報道の中で、大方が無視している一要因に、日本人に対する人種偏見がある。原爆投下を決めるのになにの躊躇も無かったということである。
 あの当時、人権なんてどこの国にも無かった。アメリカの軍隊でさえもが黒人、白人と分かれていたし、南部は勿論、白黒は法に拠って分けられていた。
 日系アメリカ人は収容所に入れられていた。捕虜になったドイツ兵の方は御馳走をレストランで食べられたが、アメリカ国籍の黒人兵は同じレストランの調理場でまずい食物を与えられたという。
 良く揚げられる理由に真珠湾攻撃が抜け撃ちであって酷かったからその仕返しであると言っている。が、原爆がドイツが降伏する前にできていたとしても、直接ドイツの市民の上に落しただろうか。
 それが証拠に製作に携わった科学者やスチムソンなんかが都市に落すよりも、人のいない所で、原爆の脅威を日本政府か軍部にに見せろという案を出していた。が、トルーマンやバーンズ、グローブス元帥は無視したという。
 殊にバーンズは偏見合法の南部人であった。でもあの当時の日本もまた中国人や朝鮮人や白人に対して偏見は大いにあった。もし日本軍部が原爆をもっていたなら遣っていただろうことは察せられる。50年昔の世界はそのような倫理観しかなかった。
▼ ▲
 ロス・タイムズに、東条英機が死刑直前の独房で「天皇は何処だ?」と言ったという記事が載っていたのも、これらのテレビ・リポートがその点が曖昧であったのを明瞭にしたと思う。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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米谷ふみ子




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