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コラム

今月の庭仕事
Lesson103「野菜の植え付け場所の準備について」

2013-11-20

 今回は、野菜の植え付け準備をする時に必ずと言っていいほど出てくる植え付け場所の準備についてお話しましょう。
 ある場所を野菜栽培に適するためには、いろいろな条件が必要です。主だったものは酸素の供給ができる状態であり、水はけと水分の保持、それに肥料分の供給などが重要な課題になります。これに加えて日光とか発芽と生育温度などがありますが、これらは温室などの施設が必要だったり、自然がコントロールするものなどでここでは除外します。
 注意しなければならないのは、上記のような状態を作り出すのに、既存の土のタイプや作る野菜の種類によっても違う場面が出てくことです。南カリフォルニアの土壌は一般的には大体アルカリ性に傾いているので、日本で騒がれるほど酸性の土を矯正する努力は省かれます。おまけに有機物である堆肥は酸性ですから、これを元肥の一部として施すとアルカリ性土壌の一部改良にも有効です。
 では、土のタイプによる矯正の仕方を見てみましょう。ご存知のように砂地は水はけが良すぎるので暑い夏など水やりが大変で、潅水の回数も多くしなければなりません。それに伴って栄養分、特に窒素分やカリ分が逃げてしまいます。これを防止するのには堆肥を入れて水持ちを良くするのが、肥料をやる回数を増やすより有効です。
 どの程度になるまで細かいサイズの堆肥で直すかというと、水分が70%くらい含まれている時に手で握ってみてパラパラと崩れない程度にできれば大方の野菜は育てられます。勿論、根が深く伸びる野菜には改良する深さも深くならねばなりません。
 次に壌土ですが、これは一般的には良い土で問題ないですが、時々、上層部は非常に理想的なものでも、下の方は水捌けが悪い例もあります。そういう時はスコップなどで深く耕しましょう。それでも、良い物を作りたければ、元肥に化学肥料だけではなく、堆肥も入れましょう。それを毎年続けることで土の非常に理想的な団粒構造を維持することが、可能です。
 紙面の都合上、粘土の改良については次の回にします。

■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。日系テレビNTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」でも講師を務めた経歴もあり。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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