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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第252回 ユニークな鹿島と電通の社訓

2013-12-04

 社訓は企業の性格を映しています。
 例えばスーパーゼネコン(五社)のトップ、鹿島建設の例。
 鹿島の社訓『事業成功の秘訣二十か条』はユニークで、かなり毛色が変わっています。
 『給料は高くせよ』と七条にあります。日本の社訓は大抵、会社が社員に示す説教の連打です。
 七条はそうではありません。三代目社長の鹿島守之助が自分(会社)に対し「社員に金を沢山払え」と迫っています。面白いと思いませんか。
 守之助はさらに『ひとを作らぬ事業は亡ぶ』(四条)と断じています。
 ならばどうして人を作るのか。
 手始めに『本を読む時間を持て』(八条)と読書を勧めています。
 社長が社訓で「余暇を読書に充てよ」と要求している図ですが、これも面白いと思いませんか。
 本好きが高じて守之助はとうとう書店の建設と経営に向かいます。検討の結果、誕生したのが当時日本一の巨大書店、八重洲ブックセンター。
 東京駅八重洲南口の八重洲本店(ほか日本橋など十二支店)は一九七八年九月スタート、本店百二十万冊の在庫量を誇っています。
 往時の「突進」精神もいまだ健在で、『人を恨まず突進せよ』(十八条)と号令をかけています。
 
 「突進」でイの一番に思い出されるのが広告最大手、電通の『鬼十則』。五代目社長吉田秀雄の作で、日本一過激な社訓といわれています。
 例えば五条。
 『取り組んだら放すな、殺されても放すな。目的完遂までは』。鍋島「葉隠れ」も腰を引くど迫力。
 しかしこれで驚いてはいけません。『周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる』(六条)。
 とどめに喧嘩の奨励。
 『摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる』(十条)。
 勇猛果敢の『鬼十則』に米国流経営の神様、GEの元CEO、ジャック・ウエルチは驚愕します。
 この東洋的闘争心を愛でて、執務室の額に飾ったといわれています。
 


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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