今月の庭仕事
Lesson 104「野菜作りでの“深さ”について」
2013-12-04
今回の課題に行く前に粘土の改良点に触れます。要点は有機物をたくさん入れてフカフカにして盛り土にするか、ブロックなどで18インチくらいの枠を作れば、だいたいどんな野菜作りも可能です。2〜3日前に水をやっておけば仕事が楽になります。
さて、今回は野菜作りの「深さ」について考えてみましょう。
野菜作りで「深さ」と聞くと「植える時の深さ」だけに注目しがちですが、他にもいろいろな状況での「深さ」があります。では、どんな時に「深さ」が関係してくるか考えてみましょう。
種を蒔く時、土を準備する時、肥料をやる時、日光の強度(影の影響)を調整する時、水をやる時、支柱を立てる時などです。どれくらいの深さにしたら一番効果的なのか、注意を払うべき点になります。
まず苗を植える時の注意点です。砂地トマトなど幹の途中から根が出るものは別ですが、たいてい根が張り出す部分が少し見え隠れする所が植える目安です。これより深く植えると茎が息をできなくなり腐ったり病気に対して弱くなったりします。また浅過ぎるとグラグラして風などに対して弱くなります。水分も空中にも発散して乾きやすくなるし、その結果で水に溶けて初めて利用される肥料分も欠乏します。
植物は根、茎、葉とそれぞれの機能が違います。根は土の中に、茎は地面より上に、葉は光が当たるような環境を作り出さなければなりません。
種を巻く時の注意点です。発芽するのに光を必要とする人参など好光性の種を深い所に蒔くと発芽率が下がります。通常は種の大きさの3倍くらいの土をかけると言われています。これは発芽に必要な地表面の温度にも関係してきますが、一般的に土は深くなればなるほど温度が下がります。
横道にそれますが、苗や芋等を深く植えすぎても温度が影響するので結果は良くありません。あげた肥料も温度があったほうが早く良く効きます。種、あるいは芋等を深く植えすぎると水分や必要な温度があって発芽したとしても、地表に到達するまでに栄養分を使い果たしてしまい、最初は弱い状態になります。
今回、触れることができなかった分は、また次回に。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。日系テレビNTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」でも講師を務めた経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。