後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第261回 LA龍馬会の新年会
2014-02-12
LA龍馬会の新年会で半田半太こと半田俊夫さん(前・日商会頭)の講談を聴きました。
演題は忠臣蔵のなかで人気の高い「南部坂雪の別れ」。
家老・大石が討ち入りの直前、江戸南部坂(港区)に住む浅野内匠頭の未亡人に会いに行く。
明日の討ち入り決行を伝え同士の連判状を渡したいが、吉良の密偵の影にそれもなりません。
「ある大名に召抱えられることになった。再びお目にかかることはない」と偽りを告げる大石。討ち入りの望みを絶たれ席を立つ未亡人。降りしきる雪の今生の別れ。
大石が去った後入る討ち入りの知らせ。大石の別れの意味を悟り短慮を悔いる未亡人・・。
去る者、残る者の人間心理を半田半太さんは巧みに語り、新年初の集いを盛り上げました。
LA龍馬会の会長・飯沼星光さんは作家・飯沼信子さんの夫に当たる帰米二世ですが、ただの帰米二世ではありません。
先祖は土佐藩主・山内家に仕えた武家の出で、星光さんの祖父・飯沼基が山内家家臣・飯沼家へ養子に出た縁に発するよし。
父の飯沼直亥は明治四十年に渡米、南加大学で薬学を学び、リトル東京で薬局を経営します。
この父と母・絹代さんの間に長男・星光さんが生まれます。
イリノイ工科大学で電気工学を学び、航空機製造大手ノースロップ社(現在のノースロップ・グラマン社)に入社します。
会社負担でUCLAの修士を修め、ウエストコースト大で教鞭をとることもあったそうです。
しかしその前に運命の出会いが待っています。徴兵で東京勤務となり、たまたま訪ねた実践女子大・学生寮で将来妻となる学生の信子さん(旧姓長田)と出会います。
星光さん二十六歳、信子さん二十一歳、渋谷・富ヶ谷教会で結婚し、一九五三年に渡米します。
子供を育て上げてから信子さんはペンをとり、「野口英世の妻」「高峰譲吉とその妻」などを書き上げます。その功で旭日単光章を授けられたのは衆知の通りです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。