キム・ホンソンの三味一体
Vol.30 お姉ちゃんになる
2014-02-27
今月で3歳と7ヶ月になる娘を見ながら、もうじき双子の弟たちが生まれてくることをどう感じているのだろうかと思います。私自身は末っ子なので生まれたときにはすでに上に何人もいたわけで、「もうすぐ弟や妹が生まれて来るよ」と言われたらどんな風に感じるのかが全く理解できなかったのです。これはおそらく「共生」にかかわることだと思いますが、すでに形成されているコミュニティーに入って行く場合、受け入れる側の反応を知るのに興味深い事例でした。自分の意志にかかわらず生まれてくる弟たちに対して、お姉ちゃんとしてはどんな感じだろうかと観察していたところ、娘は期待と不安の入り混じったある種の葛藤のようなものを抱えているようでした。
俗にいう「赤ちゃんがえり」という現象でしょうか。最近、夫婦で楽しく双子ちゃんの話しで盛り上がっていると必ず「ママ、パパとはなしちゃダメ。わたしとはなして!」と話題の中心になりたがります。弟たちにパパとママを取られてしまうかも知れないと何となく不安に感じているようです。しかし、あるときはママの大きなお腹をハグしてチュっとキスをしたり、「これはJJ(双子のニックネーム)にあげるの」といって自分のオモチャを大事そうに紙に包んだりします。「早くベビーを抱っこしたい。弟たちの世話してあげたい」というお姉ちゃんとしての期待に胸ふくらむ様子がありありと伝わる瞬間です。
先日、同じ職場のYさんから「赤ちゃんがえり」対策を一つ教えてもらいました。早速、娘が前から欲しがっていたオモチャを買ってキレイにラッピングして「これはJJたちからお姉ちゃんにって」。きょとんとしている娘に続けて「ママとパパがJJのことで忙しくなるけど、お姉ちゃんごめんね、でもありがとうって言ってたよ」と言うと、それはそれは満足そうに目を細めて喜んでいました。
最近、娘に「時間」という概念を教えるために、手帳のカレンダーに毎日バツをつけさせながら「今日は金曜日だから明日は学校はお休み」、「次のページになると新しい月だよ」などなどと教えていました。すると2月になったばかりのある日、カレンダーにバツをつけていた娘が突然「あたらしいページでもJJからのプレゼントほしい」と言い出したのです。「恐るべし3歳児、なんと毎月弟たちからプレゼントを徴収しようとしていたのか」と家内と二人で大笑いしました。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。