苦楽歳時記
vol90 ラーメン
2014-04-04
僕が子供のころ老人は「支那そば」と呼び、周りの大人たちは「中華そば」と呼んでいた。インスタントラーメンの登場により、中華そばは、現在に至るまでラーメンと呼ばれるようになった。
日本でしか味わえない「夜鳴きそば」の味は格別な思いがある。屋台車を引き、チャルメラを鳴らして住宅街をくまなく回る。
チャルメラのメロディー、ソラシ~ラソーソラシラソラ~が、聞こえてきたら丼を持って戸外に出る。
三、四年前から、日系のスーパーマーケットで、インスタントラーメンの種類が少なくなった。昭和三十三年発売のインスタントラーメンの第一号、「チキンラーメン」は、すっかり見かけなくなってしまった。
日本には美味しいインスタントラーメンが数多とある。僕は「チキンラーメン」と「日清の焼きそば」、そして「明星の究麺」が好きだ。一度日本から取り寄せたことがある。
アメリカの主要都市では、ラーメンブームが巻き起こって久しい。無料誌はこぞってラーメン店の特集記事を組み、日系のテレビ局はラーメン店のランキングを放映している。
僕はアルハンブラの『麺どん・たまや』とウエストLAの『つじ田』には、まだ訪れたことがない。それと、リトル東京の徳島ラーメン『麺王』には赴いていない。
その三店のラーメンを食したら、僕なりにランキングをつけてみたい。巷では、『山頭火』、『山田屋』、『新撰組』、『大黒屋』が上位をしめているが、『えぼし拉麺亭』と『時代屋』もウマイと思う。
あとは『満天』、『IKEMEN』、『皆楽亭』に、機会があれば足を運んでみたい。
昔、すき焼きと天ぷら、バブル期に鮨、バブル後に豆腐、今はラーメンがブームだ。十年後、二十年後には、何がブームになっているだろうか。
ニューヨーク辺りでは、弁当がにわかにブームになってきたと聞く。西海岸へも飛び火する可能性を秘めている。
ここはアメリカ、「日の丸弁当」に代わって、「星条旗弁当」を売り出すのも面白い。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

