Alice in WINEderland
Vol.55 Sushi Wine
2014-03-19
以前Whole Foodsのワインコーナーで、「Sushi Wine」と書かれたボトルを目にした。非常に気になったため、調べてみたところ、スペインで活躍中の日本人ワインメーカーYoko Satoさんが手がける、和食、特にお寿司料理とのペアリングに特化したブレンド白ワインであることが分かった。ワイナリーは、ラ・マンチャ地方のティエラ・デ・カスティージャに位置し、ワインは、スペイン品種、アイレン60%、マカベオ30%、そしてミュスカ10%で構成され、非常にクリーンでフレッシュなスタイルでありながら、穏やかな酸と心地良い余韻が印象的である。また、このワインは、あの世界的に有名なスペインのスパークリングワイン(カバ)の「Freixenet」の創始者Ferrer一家が運営する「Oroya」ブランドのフラッグシップワインであり、その名前、Oroyaは、河で物を運ぶために使用されたカゴを意味し、日本とヨーロッパ文化の融合がメッセージとして込められているとのこと。いまや、グローバルコンセプトとしての位置付けを確保した寿司をモダンに、お洒落に愉しむアイテムとして、今後も益々目が話せない1本となりそうだ。
一方、カリフォルニアでは、スタバの次にスシ・スタンドが多いというジョークがあるほど、定番のローカルフードとしての認識が高まりつつある。寿司のコンセプトも南米をエッセンスに取り込み、アボカドやマンゴが添えられるなど、独自の進化を遂げている。ソムリエの勉強会では、そんな革新的な寿司に合うローカルワインについて話し合いを行った。各レストランのワインリストを持ち寄り、最終的に選ばれた3本はパソロブレスのローヌブレンド、Tablas Creek Vineyard's Patelin de Tablas Blanc、ナパのブティック系、Pine & Brown Sauvignon Blanc、同じくナパの老舗、Grgich Hills Estate Fume Blancであった。今回は白ワインが中心であったが、今後は、まだ様々な可能性を秘めている赤ワインについても研究を続けて行きたい。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。