Alice in WINEderland
Vol.54 Precision Pairing
2014-03-19
食やワインの評論家がレストランに来るという日は、スタッフ全員に緊張が走る。シェフチームは、勝負コースとして、デザートを含めた7皿を選択し、ソムリエチームは、お料理に合わせるユニークなワインをセレクト。1皿目は、生のお魚料理4種類と野菜のサンプル・アペタイザープレートで、添えられたマンゴ・マーマレードを隠し味にしたソースを意識し、ドイツのオフドライのリースリングSchloss Vollrads Spätleseを選択。2皿目のSignature Turkey Meatball & Pesto Mussels は、味の構成が非常に複雑、且つハーブの使用があるため、スパイスのヒントとまろやかさが特徴のフランスのゲヴェルツトラミネール、Domaine Schlumberger, Les Princes Abbes。3皿目は、シェフの新作Ginger Chicken Ravioliで、ポルチーニ茸がブレンドされたコクと酸のバランスが良い、爽やかさなソースであるため、日本のシャトー・メルシャン甲州きいろ香をチョイス。某評論家は、日本ワイン初体験であったとのことで、非常に興味深い様子であった。また、4皿目は、お店の定番とされるアン一族の「シークレットガーリックソース」を使用したカニ料理Famous Roasted Crab。ガーリックの風味と戦わなず、優しく寄り添う甘みと旨味を意識し、純米酒、Ichishima Silk Deluxeを選択。こちらのペアリングは、マスターシェフが特にお気に入りの組み合わせで、レストランの常連からも好評である。5皿目は、Wagyu Beef Steak で、和牛の繊細さを尊重し、さっぱりとした丸みのあるハーブを中心としたソースで仕上げている。こちらの一品には、カリフォルニア・サンタバーバラのピノノワール、Byron Julia's Vineyardを。6皿目は、〆の一押しHealthy Plate。スイスシャード、ケール、ゴジベリー、青梗菜と玄米のご飯物で、イタリアのスーパータスカンLe Volte dell'Ornellaiaとペアリング。デザートには、ベトナムの伝統的なお菓子 Banana Fritter a la Mode。カリフォルニア・ナパのソーテルヌスタイルのデザートワイン、Nobilityがフィナーレを飾った。これから、更に精密なペアリング = Precision Pairingの研究を続けて行きたいと思う。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。