Alice in WINEderland
vol.56 Napa Vintner Lunch
2014-04-16
ナパのワイナリープロモーションやイベントを手がける非営利の事業団体Napa Valley Vintners (NVV)が大手ワインイベント会社LearnAboutWineと共同で、ロサンゼルスのワイン業界人を集めたワインメーカーランチを開催。4コースのお食事の中で、21社のワイナリーの関係者が各テーブルを周り、自身のワインの説明をするというスタイルで、素晴らしい情報収集の場となった。同じテーブルには、ビバリーヒルズの某有名ステーキハウスのソムリエ、ワインジャーナリスト、ワインバー経営者などが座り、最近の売れ筋ワインや近年の消費者トレンドなどについて意見交換をするという貴重な機会に恵まれた。会場で試飲した21種類のワインの中で、特にハイライトしたい4本をご紹介。Mira Pinot Noir 2011: モンダヴィなどアメリカを代表とする大手ワイナリーの醸造家として、また、世界5カ国で醸造を研究したGustavo Gonzales氏が手がけるブティックワイン。限りなくブルゴーニュを意識した、可憐で繊細な印象と土のニュアンスが特徴的。Purlieu Cabernet Sauvignon 2011: 「林の奥」という意味合いのこのワイナリーは、名前のごとく、果実のアロマが層を成す複雑味とその奥行きが特徴的。ヒノキを彷彿とさせる心地良い香ばしさも感じられる。Robert Craig Affinity Cabernet Sauvignon 2010: 各有力ワイン誌から高評価を受けている力強いクラシックなナパのカベルネ・ソーヴィニョン。コクのあるこのワインは、フィニッシュにスパイスのニュアンスがあり、ジューシーな赤み肉との相性が抜群であろう。Ackerman Family Vineyards Cabernet Sauvignon 2005: IT業界出身のBob Ackerman氏が創設したこちらのワイナリーは、新世界版の優良ボルドーの追求に研究を積み重ねてきた。ナパらしい豊かな果実味が第一印象に感じられるが、その余韻の長さとセージやラベンダーなどの優しいハーブのニュアンスは、この21のワインの中で最もボルドー・スタイルに近いと言っても過言ではないであろう。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。