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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第272回 小保方晴子さんの人物評価

2014-04-30

人の評価は立場、立場で変わります。
 STAP細胞の作製法を英誌「ネイチャー」に載せた小保方晴子評も白と黒に分かれています。
 学者の多くは「コピー論文で、証拠がない」と指摘、「科学論文の書き方さえ知らない青二才」と言わんばかり。
 学界だけに限りません。
 お笑い芸人松本人志も「小保方晴子対佐村河内守を年末のダイナマイト(格闘技番組)で観てみたい」と佐村と同じ嘘つきに列しています。
 記者会見に臨んだ彼女の対応に、賛否の声が沸騰しています。
 視聴者の大半は「先輩学者の嫉妬」と同情し、専門家の大半は「嘘つき女」とみています。
 小保方さんは弱酸などの外部刺激で生体組織を分化できる多能性細胞(STAP細胞)の作製法を世界で初めて発表した若いリケジョです。
 彼女の論文に対し学界は不適切なデータの処理、加工、流用そして文章の剽窃(無断使用)などが認められる、といっています。
 二○一二年のノーベル医学・生理学賞に輝いた山中伸弥さんのiPS細胞より簡単かつ短時間に作れるとあって、やれノーベル賞に値するだの、ニュートンの万有引力、キュリー夫人の放射能研究に並ぶ大発見だのと、報道は過剰に反応。
 しかしあろうことか、小保方さんを追及していた理研調査委の石井俊輔委員長に、彼女と同じ切り貼り論文のあることが判明。
 急遽、委員長を返上する事態になりました。
★ ★
 小保方さんの指南役、笹井芳樹博士は「STAP細胞を考えないと説明できないデータがある」、「STAP現象は現在最も有力な〝仮説”と考える」と証言しています。
 有名な湯川秀樹博士はかつて陽子と中性子の間に中間子の存在を〝予想”、C・パウエルがパイ中間子を発見したので、後日(一九四九年)ノーベル賞に輝きました。
 小保方論文は笹井博士によって「最も有力な〝仮説”」、湯川論文の〝予想”はノーベル審査会によって受賞相当、と評価されました。
 もっと長い目で若い学者の研究を見てやれないものでしょうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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