後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第278回 内閣人事局は何をするところか
2014-06-11
官庁、民間会社を問いません、およそ働く者にとって自分の人事の行方ほど気になるものはありません。
誰が、どのような理由で、どのように人事を行うかで人の人生も大きく変わります。
安倍内閣は内閣官房に内閣人事局を創り中央官庁六百人の幹部官僚人事の一元化を図ります。
官僚主導の悪弊を治す解決策は、国家試験をパスし行政職を独占している官僚を、人事面で抑え込むことです。
これこそが本来の民主主義だからです。
安倍首相は政治基盤の堅い今こそ、幹部官僚人事を政治家の手中に戻そうと決めたのです。
各省で握ってきた人事権が内閣人事局に移行、一本化するわけです。課長になれないノンキャリならまだしも、順送り人事でわが代の春を謳歌してきたキャリアにとって死活の事態です。
「これで役所人事に過度の政治介入が始まる」などとメデイアを使った官僚サイドの怨嗟の声が叫ばれています。
しかし首相は、「これでタテ割り行政(縄張り行政)が払拭される。公正な人事が敷ける」と意気軒昂です。
国益より省益を追う職員が賞賛される職場環境や不公平人事、順送り人事を阻止することがこの内閣人事局の使命です。
日本の省庁は非常に優れた組織として世界的に知られています。
しかし半面、省庁間の縄張り争いや公僕精神を忘れた官尊民卑の結果、省益が優先され国民への奉仕が疎かにされています。
岡山五区の衆議院議員、加藤勝信官房副長官が初代の内閣人事局長を兼務、職員百七十人の陣頭指揮をとります。
官僚ではなく政治家を内閣人事局長に就けたのは政治主導に賭ける首相の決意の表れです。
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官僚の天下り先は百四の独立行政法人、三十二の特殊法人など四千五百七十六法人、天下る予備軍は毎年二・八万人に上ります。
天下りの受け皿であるこれら公益法人には、毎年十五兆円もの税金が投じられています。
高級官僚の公正人事と税金泥棒、公益法人の廃止こそが日本再生のカギを握っています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。