後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第280回 議場の花、ヤジ攻防作戦
2014-06-25
『早く結婚したほうがいいんじゃないか』『産めないのか』。
東京都議会で質問に立った女性議員(三五)に、男の声でヤジが飛び、セクハラじゃないかと物議を醸しています。
ここで思い出されるのが英下院でのチャーチル首相のヤジ対応。女性議員アスターにむごい言葉を浴びせて得意満面だったとのこと。
劇作家、ノーベル文学賞受賞者、バーナードショーの記録によると、演説中のチャーチルにアスターは『あなた、酔っているわ』
『・・しかし私の酔いは明朝になれば元に戻ります。そしてマダム、あなたの容姿は依然として醜いままです』
セクハラなどという言葉もなかった七十年前の話です。
米国議会は『議事進行の邪魔になる』とヤジを禁じているけれど、日本や英国では『議場の花』などと大目にみています。
発言妨害のヤジは最悪で、ウイット、ユーモアに富んだ瞬時のヤジを最上とします。
日本の首相がらみで話題になったのは稲田朋美議員のヤジ。
『詐欺ともいうべきマニフェストで政権をかすめ取った』と彼女に煽られた民主党の菅元首相、色をなして『こんな汚い言葉はかつて聞いたことがない』と怒りをぶちまけました。
稲田は『自民党若手ヤジ将軍四人組』と称される猛者のひとり。
西田昌司、丸川珠代、森雅子を加えた四人組は町村派、つまり安倍首相と同じグループに属しています。
当の安倍首相にとってもヤジ攻撃は頭痛のタネ。
『若いころは結構ヤジったほうだが、民主党長島昭さん(前・厚生労働大臣)のヤジは問題だ。発言を妨害したり、のべつまくなしにヤジるのはどうか』
予算委員会で国会のヤジに触れた東国原英夫前衆院議員、「長島さんが特にうるさい」と首相に同調しています。
民主党の鳩山元首相が施政方針演説中、インド独立の父ガンジーの教え、社会的大罪のひとつ『労働なき富』の罪について触れた刹那、大声のヤジが飛びました。母親に巨額の資金提供を受けた直後のことでした。
『それはお前だ!』
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

