今月の庭仕事
Lesson119 「芝生の肥料」について
2014-07-08
仕事柄、ついつい芝生に目がいってしまいます。次のカスタマーに行くまでの間の話ですが、住宅地のなかを走っていると、まともな芝生の庭になかなか出会えません。
2~3週間は刈っておらず、種をいっぱいつけて伸びすぎた芝生を、一回の芝刈りで三分の一以上一気に刈り取ってはいけないのを、みなさん、ご存知がと思います。
夏期の高温期に、クールシーズンローン(*1)を低く刈り過ぎないように注意してください。サマーシーズンローン(*2)には、窒素の多い肥料を撒いてください。青々としたグリーンになります。
芝生用の肥料には、窒素だけの肥料、46-0-0、21-0-0で十分じゃないかと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。1~2回でしたら大丈夫ですが、これをずっと続けると問題が生じてきます。
植物が窒素を吸収するのを助けているのが、燐酸です。バランスフェーティライザーと呼ばれている芝生用の肥料には、少量ですが燐酸が含まれているのは、このためだと思います。もちろん、根の発育を促進するという大事な役目のためでもあります。
これから、どんどん気温が上昇しますが、高温期にクールシーズンローンに、窒素の多い即効性の肥料、上記の46-0-0、21-0-0のような肥料は、芝生を疲弊させてしまいますのでお薦めできません。バランスのとれた遅効性、暖効性の肥料の使用を薦めます。
*1 冬期に元気な芝生。商品名で言うなら「マラソングラス」。この正式名称は、ターフタイプトールフェスキュウです。他にも、ペレニアルライグラス、ケンタッキーブルーグラスがありますが、今時、南カリフォルニアでケンタッキーブルーグラスの種を蒔いたり、ソードを敷いたりする人いないと思います。これらは高温多湿の南カリフォルニアの気候には適さない上に、根が浅いので大量の水が必要になります。
*2 夏期に元気な芝生。ハイブリッドべミューダグラスは、ゴルフコースのグリーン部分の芝です。日照不足にもよく耐えるセントーガスチン、それとキクユグラスがあります。キクユグラスは、ゴルフコースのラフと呼ばれる部分に多く見られます。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。