後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第283回 世界を唖然とさせた号泣県議
2014-07-16
『おれが立候補してウアアアア・・誰に投票しても同じや思うて・・ワアアアア・・この世の中を・・世の中をアアアーン 変えたいと。
命がけで・・その一心で、一生懸命訴えてやっと議員になったんですうウアアーア・・』
号泣県議として一躍名をはせた兵庫県の野々村県議(引退表明)の釈明会見の一コマです。
百九十五回の交通費、温泉旅行など不透明な三百余万円が政務活動費から支出され、領収書もないと疑念をもたれ、折角開いた記者会見でこの体たらく、何の釈明にもなりません。
号泣シーンはテレビ、新聞のみかネット動画で世界を巡り、ものに動じない外国メデイアを唖然とさせました。
英国の『タイムズ』は『温泉スキャンダルでフルスロットルの謝罪』と題し紹介しました。
フルスロットルとはアクセルペダルを最大限に踏み込んだ状態のことで、いわば全身全霊の謝罪シーンをコミック風に伝えたものです。
『体を震わせ泣きじゃくった』と指摘、『アルプスのヨーデルのよう』とも書いています。
『タイムズ』に続いた『インディペンデント』紙は、『むせび泣き、深呼吸したあとまた泣き叫んだ』と小説風に伝えています。
他のメデイアには『酔っ払い赤ちゃん』との例えもあったそうです。
東京の女性都議に対するセクハラやじの衝撃を、一挙に吹き飛ばす動画・歌舞伎の威力です。
お笑い界の面々も『ワシらのお株を奪った迫真パフォーマンスや』と感心するやら嘆くやら。
兵庫県・県議一人の使える政務活動費は年六百万円と決まっています。
一昨年の地自法改正で、『調査研究』だけとしていた規約の文言を『調査研究その他』と改め、使途のグレイゾーンを広げたばかり。
住民の監査請求等で返還を命じられた『調査研究その他』に連なる不正額は、十数億円にのぼっています。
ウラの議員給与ともいわれる政務活動費。どうやら〝温泉スキャンダル″は号泣県議に限った闇ではなさそうです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。