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コラム

キム・ホンソンの三味一体
Vol35 育休中

2014-07-24

 育休(育児休暇)に入って一ヶ月半が経ちます。家で双子の世話をする毎日が、まるで人生の縮図のように思える時が多々あります。まず、朝起きたばかりの二人を見ることが何よりの喜びです。たっぷり寝た後の赤ちゃんは疲れが全く残っていなくて、前日どころか2-3日前の疲れまでそのまま引きずっている私とはまるで違います。朝は機嫌もよく二人で競ってとびっきりの笑顔を披露してくれます。
 
 しかし午後になると、何をしても機嫌が悪い状態が続きます。疲れたなら寝てくれると大いに助かるのですが、「眠い」という感覚がただの不快感としてしか感じられず、苛立ちで興奮して泣きわめいてしまうようです。ここで上手く寝かすのが親の腕の見せ所ですが、何をしてもダメな時もあり、無力な自分に腹が立ってしまいます。そういう時は、(安全なことを確認してから)二人をおいて庭に出て深呼吸をすることにしています。二人の泣き声を聞きながら考えていると言葉が話せず泣く他ない二人が何だかかわいそうに思えて悲しくなってしまいます。
 
 そして疲れきった自分自身を奮い立たせて再び部屋に戻ります。いよいよ最終兵器の登場、抱っこひもとおんぶひもの併用です。二人合わせて14kgですが、むかし韓国陸軍時代の完全武装40kgでの100km行進に比べるとそう大した重さではありません。ただし徴兵に行ったのは21年前の若年期です。二人が眠るまで上下に揺らしながら家の中を歩き回ったり、階段を上り下りします。ようやく眠ったら次の関門は起こさずに上手にベットにおろすことです。これもまた至難の業で、片方が起きて泣いてしまってもう一人まで起こしてしまいます。
 
 しかし、どうしても上手くいかない時でもけして落胆することはありません。それはやがて子供達のママが仕事から帰って来ることを知っているからです。ママの帰還、それはまるで涙と汗と苦悩の世界に救済の光が差し込む瞬間、厳しい冬の後の春の訪れのように喜びと楽しさに満ちた出来事なのです。その後の時間というのは、久しぶりの再会とあってJJ(双子達)を思いっきり可愛がる家内もやがては疲れて、すべて任せきりの私にいよいよ怒りが爆発しけんかになることがよくあります。そして、そういう時に割って入ってくれるのが今月でちょうど4歳になった娘です。「パパ、ママ、だめ!JJがおきるから。」こうしてまたも一日が終わろうとしています。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

「このコラムへの感想や質問はこちらへ → khs1126@gmail.com
礼拝:日曜日午前10時(ハンティントンビーチ)、日曜日午後2時(トーランス)
お問い合わせ:携帯 (310) 339-9635」




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