今月の庭仕事
Lesson 122野菜作りの畝と土寄せについて
2014-08-26
今日は家庭菜園で野菜を作る時の畝(うね)と土寄せについてで〜す。
なぜ、野菜を作る時に畝が必要なのでしょうか。畝を作らず、土寄せもせずとも“それなりに”野菜はできますが、したほうが品質の良い野菜ができます。では、すべての野菜に必要かというと答えは「No」です。必要のない野菜は、収穫までの期間が二ヶ月くらいまでの短いもの、種を蒔くときにバラ蒔きにする種類、サイズの小さいものなどです。鉢植えにするものなどは基本的に無理ですね。
工程は、①畝を作る ②苗を植える ③成長過程で土寄せをするです。 土寄せは追肥を兼ねてすることが多いので、追肥の時期にほぼ重なります。追肥の時期は、果菜類は実が大きくなりだす頃や前にやった肥料がその効果をなくす頃です。化学肥料では、水のやり方、土の性質、環境温度、作物の種類、あげる肥料の種類とその濃度などにもよりますが、だいたい一月から二月くらいでしょう。これはアメリカで売られているものの標準です。参考までに、日本で使われる野菜の肥料は、アメリカの半分くらいの強さです。
土寄せの役割は、畝の表面近くに出る根を乾燥から守り、同時に水分の保全をし、表面の温度上昇を抑えます。根が乾燥すると水分に溶けている養分の吸収が少なくなります。これは、きゅうりなどの品質を保つために非常に大事な点です。山芋なども同じような影響を受けると言われています。ひどい時には生長点が止まり、下の方から新しい芽が出てきます。これは庭木でも同じ現象が見られます。水分が少ないと化学肥料の溶解、有機質肥料の分解を助ける微生物の死滅にもつながります。水分が表面近くにあると蒸発熱による効果で、畝の表面を涼しくして微生物の働きも良くなります。
もう一つは、通気性の保証につながり、根に必要な酸素を供給します。例として、畝を作らずに野菜を植えると、根は横に下に伸びて表面から遠くなります。一般的に地表から遠くなればなるほど酸素の量は少なくなります。しかし野菜が畝に植えられていると、根は上と横に近いですから、酸素の量も多くなります。最後に里芋やじゃがいもなどに土寄せするのは、できた芋が表面で近くにならないようにするためです。
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■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。