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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第286回 戦争という人殺しと原爆の記憶

2014-08-06

 太平洋戦争は日本の真珠湾攻撃で戦火を開き、米国の原爆投下で事実上戦火を閉じました。
〝ピカドン″(原爆)が広島、長崎に投下されて今月で終戦六十九年目を迎えます。
終戦記念前の先月二十八日、〝ピカドン″を広島に落としたB29爆撃機の搭乗十二人最後の一人、セオドア・カーク航法士(九三)が老衰で亡くなりました。
人殺しの戦争に、戦闘の正当化など笑止千万!
しかし英紙『ガーデイアン』(二○一○年五月二十一日付)に、『もし同じ状況だったら、また原爆を落とす』と同氏は答えています。
『爆弾投下で人が死ぬことを自分のなかで処理できないなら、空軍の仕事は全うできない。人を殺さない戦争があったら教えてくれ』とも語り、謝罪を拒みました。
 標的の民間人を大量屠殺し、『こうでもしなけりゃもっと悲惨なことになっていた』と強弁する米側に、どうにも納得できないのは敗戦国民のひがみでしょうか。
〝ピカドン″の放射線、熱線、爆風、黒い雨による善良な国民の大量死と半死のうめき声。
被爆一号の広島の死者は一九四五年十二月末で十四万人、五年後の五○年までに二十四万五千二百三十人に達しました。
次の長崎は同年十二月末に死亡七万四千人と負傷七万五千人を数え、後日、原爆死亡名簿で十五万五千五百四十六人の確定名を載せました。
放射能や除染に無知で、生存者は完全に見捨てられた存在でした。
シーベルト(放射線被爆量)やベクレル(原子核の壊変単位)といった汚染単位が、健康被害の話題に上る時代でもありませんでした。
いつ発病するかしれない原爆症にみんな怯えていました。広島爆心地で被爆したパサデナに住む大竹幾久子さんもその一人です。
『あれしきの被爆で何を騒ぐのかと言ってはならぬ我は被爆者』と詠った彼女の歌は、昨年の第二五回朝日歌壇賞に輝きました。
『あれしきの』のひと言に、福島原発の恐怖もかすむ爆心地の地獄図を、被爆者の追憶として伝えています。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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