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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第287回 第二の黒沢明、落合賢監督

2014-08-20

  眉目秀麗の青年が『酒、焼酎、ビール試飲会』(オールジャパンニュース主催)の会場に現れ、居並ぶ来客に挨拶をしました。
青年の名は落合賢。地元、南カリフォルニア大学映画科出身で、職業は映画監督。
モントリオールで先日まで開かれていた『第十八回ファンタジア国際映画祭』で、応募百六十作品の頂点、最優秀作品賞に輝いた『太秦ライムライト』のメガホンをとった時の人です。
社会人になって六年余り、弱冠三十一歳で巨匠候補入りした希望の星に、映画ファンの期待は高まるばかりです。
時代劇の聖地、京都・太秦を舞台にした『太秦ライムライト』は、チャプリンの『ライムライト』をモチーフにしています。
『ライムライト』の老いた道化師カルベロに、時代劇一筋五十年以上切られ役に徹してきた福本清三の役をダブらせ映画の主低音にしています。
太秦撮影所の幸せ、哀歓、諦観の時間を、殺陣の松方弘樹、小林稔侍らと共感する日本的空間映像が好評価に繋がったのでしょう。
 小学生時代に観た『ジュラシック・パーク』が映画監督を志す動機になったそうです。
『現実を忘れたい。そんな願いをかなえてくれるのが米映画。最高の場所で勉強したいと思い、南カリフォルニア大学に入学した』と振り返り、『僕は海外に発信する時代劇に力を入れることで、その裾野を広げたい』と抱負を語っています。
ハリウッドで活躍する外国人監督はエメリッヒ(ドイツ)、ハギス(カナダ)、デルトロ(メキシコ)、シャマラン(インド)、サレス(ブラジル)、ベッソン(フランス)と目白押し。日本人は北村龍平が少々火を吐いているだけ・・。
成瀬三喜男はさしづめチェーホフ、小津安二郎はツルゲーネフ、黒澤明はシェークスピアといったところ。
女難、金難さえ免れれば落合賢はその黒沢明になれるでしょう。十一月に受賞作品のプレミア上映が予定されています。
若いヒーローの誕生を祝し、応援しようではありませんか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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