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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第293回 新旧総領事、来る人、去る人

2014-09-24


ギターの弾き語りをする堀之内LA総領事

 着任したてのLA総領事、堀之内秀久氏がギターを肩にステージに上り『上を向いて歩こう』を歌ったのには少々驚きました。
 南加県人会協議会五十周年記念式の席上、会場の四百五十人も一緒に歌って見る見る日系社会が一つになりました。
 堀之内氏は外務省中国課長、中国公使を務めた省内チャイナスクール出身のエリート。
 タフな韓国系移民の慰安婦像・碑の設置運動に今後どう向き合うか、注目の人事配置です。
 『上を向いて歩こう』は世界で最もポピュラーな日本歌謡の一つ。   
 十五年ほど前に日本人特派員六、七人とブラジル旅行をしたときのこと。
 サンパウロの某クラブに足を踏み入れた途端、『上を向いて歩こう』の楽団演奏で賑やかに迎えられ、この歌の認知度の高さを知らされました。
 作詞の永六輔は当初、坂本九の歌い方が気に入らず『馬鹿野郎』と怒鳴りつけたそうです。
 『上を向いて歩こう』を『上ホ向フいて歩こホう』と歌う坂本に永はふざけているとしかみえなかったそうです。
 この曲に目をつけたのは英国人ジャズトランペッターのケニー・ボール.。 
 録音、リリース段階に入ったものの知っている日本語は『スキヤキ』と『サヨナラ』だけ。
 うまかった『スキヤキ』を曲のタイトルに選んだそうです。
 今では厳かな『君が代』に代わって準国歌のように世界に向けて歌の翼を広げています。

 来る人がいれば去る人もいます。新美潤・前総領事は衆議院事務局国際部長に就任、外務省を『サヨナラ』しました。
 慰安婦問題に真剣に取り組んでいた新美氏。辞令を聞いてギターをかついだ堀之内氏の姿以上に驚きました。
 南加日商主催の送別会で選んだ歌は沢田研二の『勝手にしやがれ』。
 『せめて少しはカッコつけさせてくれ。寝たふりしてる間に出ていってくれ・・。さよならというのもなぜかしらけた感じだし』(阿久悠作詞)。
 この激しい歌を何と三番まで熱唱した氏の心情を思いやりました。               


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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