今月の庭仕事
Lesson 127「雨と気温と剪定」について
2014-11-12
ハロウィンの日の金曜日の夜、待望の雨が降ってくれました! うちのスプリンクラーのスケジュールプログラムでは、土曜日の朝がウォーターデーになっていたので、スイッチを「オフ」ポジションにして事なきを得ました。レインセンサーが装備されているコントローラーは自動で止めるので心配ありませんが、そうでない方は「オフ」ポジションにすることを忘れないように。またその後に「オン」ポジションに戻すこともお忘れなく。
なぜ、この話をするかというと、この雨の水が地中に浸み込んでいくと、地上の温度の低下が地中に伝わりやすくなります。つまり気温の低下が地中温度を下げます。すると葉の色が変わり始めます。この時期、木々は緑葉で作ったエネルギーを、来年のために地下部に溜め込んでいる最中なので、剪定は全部落葉するまで待ちましょう。
よく緑の葉が大分残っているにもかかわらず剪定を始める方を見かけます。その理由は、地中温度が下がらず(気温の低下を伝える物質=水分が足りない)落葉期間が長くなり、庭が落葉で汚くなったり、隣近所に迷惑になるかららしいです。落葉期間を短縮したければ、蛇口を少しだけ開けた状態で、木の周りに置いておくことです。水が地中に浸み込んでいくことが絶対条件です。この時、蛇口を開けすぎないように気をつけてください。そして一週間後、葉は落葉し終わっているはずです!
今回は、各果樹の枝の剪定の仕方については記述はしません。日本語の果樹の本を見ると、きちんと各果樹の花芽と葉芽の見分け方、各枝に何個ぐらいの花芽を残した方が良いか、切った後、新しく伸びてくる枝がどの方向に向って伸びるのか、不結果枝(柿)の切り落とす箇所なども書いてあります。来年実が生らなかったらどうしようなんて余計なことは考えずに、本を見ながらでもとにかく剪定を始めましょう。試験じゃないので、気楽にいきましょう。間違ったって、木が死ぬことはないですから。
太い枝をやむをえず切り落とした場合は、切り口から害虫が侵入するのを防ぐために、切り口にプルニングシールを塗布することを強く勧めます。日本語では「切り口面保護剤」とでも言うのでしょうか? 日本語の正式名称が分かりません…。お調べください。プルニングシールには、スプレー式とへらで塗るタイプの二種類があります。使いやすい方をお使いください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟メンバーの新垣安徳さん。自分の失敗例や成功例など豊富な経験を元にコラムを執筆。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。