今月の庭仕事
Lesson128 家庭菜園のために作る堆肥について
2014-12-03
落葉の季節になったので、家庭菜園のために作る堆肥について考えてみましょう。
なぜ、落ち葉は「土の改良」に役立つのでしょうか。落ち葉は正常に働いていた葉が、日陰にいたために正常な光合成ができなくなり、他の日光が当たる葉に栄養分を返して落下します。つまり、葉が日陰にあるので日光が届かず、栄養分を作る役目が出来なくなってしまった葉が落ち葉となります。
また気温が下がると、寒さに備えて冬支度するため、その結果、葉を落とします。加えてもう一つ。主に窒素分の肥料分が不足すると、古い葉の中の養分は若い葉を作るために使われ、古い葉は犠牲になって落ちるのです。
このようなことが重なり合って葉は落ちますが、この落ちた葉は、窒素分を除いて非常に栄養豊かなものなのです。その葉が植物に付いていたこと自体がその証明です。栄養分が十分でないと葉はできませんから。
この点ではホームセンターなどで売られている肥料より優れているといえます。もちろんホームセンターの肥料は、いろいろのものが混ぜられていているので、欠乏している栄養素は補充されています。
落ち葉で一番欠乏しているのは、上の説明でもわかるように窒素分です。この欠乏部分を改善するには、どうしたらいいでしょうか。
一つは、緑の刈り芝などの有機物、鶏ふんなどの動物性有機物、無機質の硫安(アンモニア)などを、堆肥を作るときに混ぜます。これは落ち葉を分解する微生物の食べ物になり、落ち葉の分解速度を早めるのに役立ちます。 もし上記のものがない場合は、庭の土(既に微生物が棲んでいる)でも役に立ちます。落ち葉を分解させるのには、微生物が活動するための適当な水分が必要なことは言うまでもありません。ときどき堆肥の切り返しをすれば、水分が平均に行き渡ります。
もし暖炉の灰などがある場合は、堆肥に混ぜて使ってください。アルカリ性である灰は、酸性である堆肥を中和します。
最後に、落ち葉が堆肥にするのに適している理由は、そのサイズです。大きからず小さからず、土に混ぜ込まれた時に程よい粗さにしてくれます。このことは非常に大事で、水もよくしみ込んでいきますし、それにつれて肥料分も広い範囲に広がってくれます。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。