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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第307回 イヌを食べるな、鯨を食べるな

2015-01-07

「イヌを食べないで」――新年早々の在英韓国大使館前だ。イヌを食べる韓国人に英国人の抗議デモが続いている。
「英国料理よりイヌ料理のほうがうまいぞ」
「韓国を目の仇にするな。中国人もイヌを食うぞ。日本人は鯨を食うし、オーストラリア人はカンガルーを食うぞ。韓国人をなめるな」。
「売り言葉に買い言葉」という。食文化をめぐるもめ事は厄介だ。というのも食文化はなじんだ食の癖だから。
「癖を直せ」といわれて素直に応じる民族はいない。その癖を「不愉快だから直せ」といわれて「はい今すぐ」とはまずならないのだ。
悪い癖にだって愛着がある。第一悪い癖とはなんだ。たとえ相手にとって悪い癖でもこちらには快い癖だ。
なくて七癖という。相手の癖は見ないように努めるのが筋だ。大目にみないとひと悶着起きる。
 
日本人が鯨を食べるというので欧米で総すかんを食っている。鯨を食べる習慣のない欧米人には不愉快なのだ。
人間なんて自分勝手にできている。
力が強いとなおさらのこと。一六○年前、米東インド艦隊のペリー提督が大砲で日本の鎖国を解いた時もそうだ。
石油産業の発達していなかった当時、米国は太平洋の鯨の油を燃料にしていた。
鯨から油を採ると用済みの鯨を海に捨てた。鯨の白い腹が太平洋上いち面に浮かぶ様が小説「白鯨」にも描かれている。
日本を開国させたのは人命保護、米船の燃料補給、難破船の受け入れのため、としている。
もっともらしいが、日本開国の第一の理由はわがままを押し通した米国の強引さにあった。
鯨油を石油に切り替えると日本の捕鯨を非難した。「鯨は賢い哺乳動物だから殺すな」と。
この変わり身の早さ。米国のわがままは昔も今も変わっていない。
米国の動物愛護家はわがままな上に失礼だ。
LAを訪問した昭和天皇に向かって「鯨を食べる国の皇帝よ、出て行け」と毒づいたプラカードを突きつけたのだ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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