今月の庭仕事
Lesson 133「病害虫と薬品の種類」について
2015-02-03
Lesson 131では、越冬病害虫の名前を日本語と英語で少し紹介しました。インターネットを活用しながら、自分の庭の果樹の病名を特定してみましょう。①写真付きの日本語と英語のサイトを同時に開けて、見比べながら、自分の庭の果樹の病名を日本語と英語で特定します。②日本語のサイトを見ながら病害虫の詳細を理解します。③アメリカの薬品の使用説明書を見て、そこに書かれている病害虫名の中から、自分の庭の病害虫を見つけましょう。④使用説明書には病害虫と一緒に薬品の量も明記されています。それを参考にして、薬品を適量スプレータンクに入れて、指定された量の水を混ぜましょう。⑤木にスプレーをします。
ここでの注意点は、指定された量以上の薬品を入れることは絶対にしないでください。“多く入れたら、より効果があるだろう”なんて考えないでください。薬品会社は、新しい薬品を開発するために多額の資金を投入し、試験を繰り返し、安全性を確立し、環境保護局(EPA)の認可を得て初めて、薬品を販売しています。使用説明書にはその薬品を使用するに当たっての注意事項が細かく記載されています。必ず読んで注意事項は守りましょう。
使用する薬品は殺菌剤と殺虫剤ですが、一つで殺虫と殺菌ができる薬品、または、殺虫だけの薬品、殺菌だけの薬品などさまざまな種類があります。一つの薬品で殺虫と殺菌できるものはありますが、対処できる病害虫の種類が少ないという場合もあります。
例をあげると、3つの薬品A、B、Cがあるとしましょう。これら3つの薬品は、対処できる病菌や害虫の数、種類、効果の程度に違いがあります。薬品Aは、病菌aと害虫bに効果があります。しかし、病菌cと害虫dには効果がありません。薬品Bはcとdには効果があります。そこで、薬品Aと薬品Bを混ぜると、a、b、c、dの全てに対処できます。
害虫bと害虫dには、薬品Cの方がより効果があります。しかし、薬品Cと薬品Bを混ぜて使用することはできません。さらに、薬品Bを使用するとその後の1ヶ月間に薬品Cを使うことができません。
そこで、1回目のドーマントスプレーには、薬品Aと薬品Bを使います。そして一ヵ月後、2回目のドーマントスプレーには、薬品Aと薬品Cを使います。こうするとa、b、c、dの病害虫に対して最適な効果をもたらすことができます。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟メンバーの新垣安徳さん。自分の失敗例や成功例など豊富な経験を元にコラムを執筆。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。