今月の庭仕事
Lesson 134「いよいよ野菜園の準備の時期です」
2015-02-18
2月になると野菜の植え付けの準備が始まります。いろいろなことをしなければなりません。
まず野菜園にする場所の準備ですが、堆肥や化学肥料を畑に撒きます。肥料を多く必要としないさつまいもやじゃがいもなどには、この準備はしません。
準備をいつするかは、育てる野菜の量や種類によって違いますが、だいたい2週間くらい前を目安にして土と混ぜましょう。混ぜる深さは、野菜の根の深さプラス水はけ用の土の厚さとなります。
なぜこのような準備期間が必要かというと、有機物の分解と化学肥料の成分が水に溶けて土中に一様に広がるようにするためです。もちろん有機物である堆肥、油粕、骨粉、コットンシードミールなどは、水はけを良くし、土のアルカリ性を和らげ、土に空気(酸素)を入れる“土壌改良材”としての役割と共に、緩効性(微生物分解で長く効果がある)を利用しての元肥としての役割も無視できません。
化学肥料は肥料分の量が高いので、若い苗の根が直接固形の肥料に当たると“肥料やけ”などの弊害がでる可能性も否定できません。そこで土中の水分で濃度を低くします。
土の準備ができたら、畝・盛り土(Raised Bed)を作ります。これは水はけを良くするのが第一の理由なので、砂地の環境では作らなくてもいい場所もあります。
一方、水はけの悪い粘土状の場合は、畝の高さは他より高くします。植物によっても畝を高くする場合があります。土中に酸素を多く必要とするさつまいもなども畝を高く作ります。
さらに植えてからの生長の促進を早めるために、畝や盛り土された場所をビニールなどで覆っておくと土の温度が上がり、初期の生長が早くなります。 ビニールをそのまま夏場まで置いておくと、多くの場合、地中の温度が上がりすぎて害を及ぼすこともあるので注意が必要です。
最後に植えた年月日や追肥の日付、その種類を書きつけるプラスチックのレーベルを用意し、これに細かく記録しておくと、後々、非常に役に立ちます。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。