今月の庭仕事
Lesson 137 夏野菜の季節到来
2015-04-01
夏野菜に適した気候になってきました。ホームセンターなどに行くともう既に大きくなった苗を売っていますが、それらを買う時は次の点を考慮しながら買いましょう。
売られている苗はだいたい小さなトレイ、またはポットに植えられています。これらを日の当たる場所に置いておくと、すぐに乾いてしまいます。買ったら、すぐに植えることがとても大切です。
ホームセンターでは、苗にはこまめに水をあげていますし、苗は少し日陰に置かれている場合が多いです。苗物の根は植えられているポットなどの側面まで延びています。外からの太陽の熱や風でそれらのみずみずしい根が乾くのは早く、苗はすぐ萎びてしまいます。このようになってしまうと、水で根土を湿らせるのが難しくなります。これは、苗物が植えられている用土がピートモスを含んでいる場合が多いためです。このピートモスは水持ち、水はけがいいのでよく使われますが、乾燥してしまうとその体積が小さくなったり、また水をはじく性質が問題となります。
苗がまだトレイやポットに入ったままの状態でしたら、トレイやポットの深さまで水を入れたバケッなどに苗を入れて、下の穴から水を吸わせましょう。もし乾いたままで植えてしまったら、根土を覆っている土を必ず取り除きましょう。乾いている根土は空気のボール状態になってしまい、水をあげてもなかなか水は中に入っていきません。これを充分に湿らせるには、少しずつ何回も水をあげることが必要です。これら二つのことで、土の中にある空気の部分を水で置き換えてあげます。
そして、これらの苗物を植えるのに2週間くらい前から、基肥(堆肥や化学肥料など)を土に混ぜて準備を済ませまておきましょう。この場合、かぼちゃ、さつまいも、スイカなどはほとんど基肥が必要ありませんので注意してください。トマトも多肥は禁物です。
こうすることによって微生物は堆肥などの有機物を分解し始めます。また、化学肥料は適当な濃度で溶けます。いわゆる住み心地の良い環境ができあがっていることになります。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。