今月の庭仕事
Lesson140
2015-05-27
東も西も、旱魃の話で持ちきりです。そもそも私たちが使う量の75% くらいが外回りで使われているらしいですが、その大きな比重を占める庭の一部が我々の家庭菜園です。その家庭菜園で使われる量は大きくないかもしれませんが、場合によっては、とんでもない結果をもたらします。ある水量以上を使うと罰金的な料金が加算されるからです。身近な税金の課税方式にも似ていて、幾つかの所得の段階において計算され、一般的に所得が大きくなればそれに続いて税率も大きくなります。
さて、ではどのようなことを考えれば水の節約になるのでしょうか。もっともこれは、できる野菜の品質や収穫量を落とさないように考えながらやらなければならないので簡単ではありません。どうしたら使う水の量を減らすことができるでしょうか。
最初にできることは、菜園の土を、堆肥や腐塾した牛糞、スポンジロック、バミキュライト、ピートモスなどの土壌改良材を使い水持ちの良い土に改良することです。次に畝を立てます。水はけさえ良ければそんなに高くしないことです。畝を高くすればするほど、水の発散する表面の面積が大きくなります。そしてその畝に水をやるのに、表面が乾ききる前に灌水すると、あげた水が効率よく浸み込んでいきます。表面が乾くまで待つと灌水の始めが上手く浸み込みません。また種類にもよりますが、その畝は南北より東西にしたほうが、太陽熱を受ける面積が少なくなり、水の発散も少なくなります。
次に水のやり方です。一番効率的なのはドリップイリゲーション(Drip Irrigation ) ですが、それにタイマーをつけてやれば水の浪費が少なくなります。そのドリップイリゲーションタイプもいろいろとあリますのでホームセンターなどで聞いて、自分の必要性にあったものを選んでください。水をやる量と土に浸み込む量が同じだと、水の浪費は少なくなります。それがドリップイリゲーションの利点です。もちろんその時には、植える野菜がどのような根の張り方をするかなども考慮して、一回にやる量や時間の調整も大事になります。
天気が暑くなってきたら、土の表面に落ち葉や刈って枯れた芝生を敷いてマルチとします。この時、できるだけ厚く粗いものが、風を通さず、土の表面を涼しく保ってくれるので効果的です。
以上の要点を踏まえてやれば、規定の量内に落ち着くかもしれません。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。