今月の庭仕事
Lesson 143 週二回の散水でいかにして庭園と芝生を守るか?
2015-07-08
ジャカランダの青い花が心地よかった6月でしたが、青い花が終わると、いよいよ本格的な夏の到来です。長年の干ばつの影響で水の庭園に対する使用制限が厳しくなってきました。私のカスタマーのほとんどが散水を週2回に制限されています。私に言わせれば、今まで水を無駄に使い過ぎてきたつけがまわってきたと思っています。南カリフォルニアの主水源であるコロラド川に水を供給するシェラネバダ山脈の雪がなくなってきているそうで、このまま干ばつが続けばダムによる水力発電にも影響が及ぶかもしれません。
さて、週2回の散水でいかにして庭園と芝生を守るか?
まず最初に家の前に立ってスプリンクラーを開けてみてください。幅が2~3フィートしかないパークウェイ(道路と歩道に挟まれた部分)に、水の飛翔距離が直径10~15フィートもあるスプリンクラーヘッドが装着されていませんか?もしそうならば、ここだけで散水された水の50%が無駄になっています。散水が制限される前は、目標としている場所に十分水が浸透するまで時間をかけ、回数を増やして散水をすることができましたが、これはもうできません。
ではどうするか?
目標とする場所に適したスプリンクラーの個数、適した散水パターンのスプリンクラーヘッドに交換することがベストといえるでしょう。「個数」は、散水パターンの変更によって生じた「十分に散水できない場所」への散水をするため、新たにスプリンクラーを追加すると言う意味です。
私のカスタマーのほとんどがストリートに向けて半円形の散水パターンを持つスプリンクラーをパークウェイに設置しています。これらを長方形の散水パターンのスプリンクラーに交換することで、半円形時より50%を省くことができます。パークウェイが芝生や背の低いグランドカバーの場合と背の少し高いブッシュの場合では、スプリンクラーの設置場所が違います。
パークウェイの真ん中にスプリンクラーを一直線に並べて設置する「センターストリップ」という散水パターンのスプリンクラーヘッドと、長方形の長辺側一方だけ直線で設置する、または長辺両側に交互に設置する「サイドストリップ」という散水パターンのスプリンクラーヘッドを使用します。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。