今月の庭仕事
Lesson 145 週二回の散水でいかにして庭園と芝生を守るか?②
2015-08-05
8月に入り暑い日が続いていますが、お庭はお元気でしょうか?
私のカスタマーの芝で一番ダメージを受けているのが、クールシーズンローンのマラソングラスです。一日おきにでも水を撒くことができればいいのですが、庭に対する散水制限でそうもいきません。私の住んでいる市では週に2回、火土、または木日の散水のみです。月水金は住所番号の偶数・奇数に関係なく水を撒いてはいけない曜日で、この中三日というのがきついです。
対策なしで10分や15分水を撒くだけでは、土には十分水が浸み込んではいかないでしょう。住宅地域の前庭は道路に向って、僅かですが傾斜がついています。散水した水の量が、土に浸透する水の量を上回るとせっかく撒いた水が流れ出してしまい、節水にはなりません。
では、どうするか?
短時間でルーツゾーンに水を送り込むために、芝全体に穴を開けましょう。さらに開けた穴が散水によって埋め戻される前に、穴の効果を長続きさせるための工夫をします。芝に開けた穴に砂を入れます。または、穴を開けた芝全面にシードカバーのような湿り気を保つオーガニックマティリアルで穴を埋めます。きちんと熊手で平らにします。穴が、砂、またはオーガニックマティリアルで埋まっているかを確認しましょう。こうすることにより、水が浸み込んでいきやすい状態を長く維持することができます。
この状態で、土壌改良剤を散布すれば、より効果があるでしょう。土壌改良剤が浸み込んでいった箇所は、小さな穴が無数にでき保水力が高まるでしょう。WATER IN、E-Z WATERという名称で販売されています。
肥やしはゆっくり窒素分を放出する遅効性、暖効性のものを使用してください。地中の微生物が元気でなければ、化学肥料は良く効かないので、GROW POWER PLUSのような浸透力を高めたソイルコンディショナーの使用をお勧めします。
このように書くと、「一緒に撒いてもいいんじゃないか」という疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、説明書に「他の化学肥料との併用はお控えください」と記載されているので、時間をおいて使用するようにしましょう。 常に最高の効果を得るためには、どういう状況を作り出したらいいか、どのような状況で使用したらいいかを考えましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟・購買部会長の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。