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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第343回 乱闘採決はアジア的土俗臭!

2015-09-24

難しいことは書くまいと決めてデスクに向かっているが、うまくいくかどうか心配だ。
抽象的に書いたら読者諸氏にソッポを向かれるのはわかっている。
しかし日本という国の仕組みや国の最高基本法(別名、憲法という)のことを書くので、やさしく書くにも限界がある。
抽象的な言葉を使ってもどうか許してほしい。

ズバリ、自民党など五党が日本の国会で強行採決した安保関連法は憲法違反である。
乱闘下での採決は姑息であり教育に有害であり、アジア的土俗臭をいやというほど見せ付けられた思いだ。
安保関連法は関連十一法を一括束にして審議された。審議に百時間費やしたから議論は尽くしたというが、関連法を各々討議に乗せれば一法十時間かそこらの話だ。
国民の八割が説明不足といい、六割以上が戦争のできるこの法に反対しているのも最もだ。
法を作るのは国会(議員)であり、その法の趣旨を忠実に実行に移すのが内閣であり、そこに落ち度がないかチェックするのが最高裁の役目だ。
ところが日本の国会は法を作る場ではない。
立法府とは笑わせる。
実際に法を作っているのは内閣の事務方エリート公務員(別名、官僚)だ。
彼らの手になる法を閣法といい、毎年百本程度成立する法の八割以上を占める。必然的に国会議員の作る議員立法は二割以下となる。
法の八割以上を選挙の洗礼を受けない官僚が作る。その事実だけでも国民主権とはいえない。
国民の代表、国会議員が国民を幸せにする法を作るから国民主権なのだ。
国民の幸せより官僚機構や世襲議員、財界の利益を目指す閣法のほとんどは国民泣かせだ。少なくとも国民泣かせのことが多い。
憲法九条のもとで戦争はできないはずなのに可能というのが、安保関連法の本質だ。
「戦争、国際紛争の目的を達成するため,、陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」。自民党がこの九条二項を、自衛戦争と読むから呆れてものがいえない。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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jjgoto@sbcglobal.net

後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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