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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第350回 国府田農場の家族史を映画化

2015-11-12

 日本で俳優として活躍していた 元UTBの岡野進一郎さんが監督のババマサノリさんと撮ったドキュメンタリー映画「SEED」(日本語名・ドスパロスの碧空)を先日、観てきた。
 後世、ライスキングと呼ばれた福島出身の国府田敬三郎の汗と誇りを三世のロス・コーダに繋げた国府田農場の家族史だ。
人生は七転び八起き。
 敬三郎は後日一万エーカーの農地を所有したが、強制収容所に入れられている間に農地の三分の二を失った。
 一万エーカーといえば一二二四万坪に当たる。
州政府を損害賠償で訴え、失った農地を取り返し国宝国府田米(のちの国宝ローズ米)の大量生産に成功した。
 義妹さんがロス・コーダと結婚した縁で岡野さんは現在、国府田農場の配給会社「INAHO」の副社長を務めている。
 アリババという愛称のババ監督は二○○七年に「千代のお迎え」という短編映画のメガホンをとった人だ。
 第七九回アカデミー賞の短編ライブアクション映画部門で受章は逃したが、候補五作品の一つに食い込んで注目された。
 この映画のスポンサーをしたのは米国ニットータイヤで、故木幡CEO、得能プロジェクトチーフとの縁が実ったものだ。
 故木幡氏の後を引き継いだ水谷CEOは進出企業・経営者の中ではとりわけ辣腕家だ。
 それをいち早く見抜いたのは米連邦下院だった。人格者で行動力に優れていると一昨年九月、「卓越したビジネスリーダー」として特別表彰した。
 日本の本社事情には疎いが、米国の水谷CEOを日本流に拘束せず、その自由な発想を尊重しているようだ。
 その席で南加福島県人会の会長・マイク紙本さんに会った。右足にギブスをつけて歩行もままならないようだった。
 訊くと五月の初旬にストロークで倒れリハビリ中だという。妻の典子さんにすがって歩くさまは、いつもが陽気闊達な人だけに、いつになくしょんぼりしてみえた。
 福島県人家族史の試写会だ。身体にムチ打ちやって来たのだろう。早く治して例の声とゼスチャーで周りを躍動させてほしいと願っている。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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