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コラム

今月の庭仕事
Lesson 155 11月1日のセミナー報告②

2015-12-23

 152回に続き、11月に南加庭園業者連盟が行ったフルーツセミナーの報告です。セミナーでは土壌、施肥、剪定についての話もありました。
 土壌はペーハー(PH)酸性、アルカリ性とさまざまなタイプ(砂地、壌土、粘土)があり、南加地方はアルカリ性土壌だそうです。そこで土壌改良剤を使い、ペーハーを中性または弱酸性に改良しなければなりません。弱アルカリ性を好む植物は、中性でも十分成長するとのことでした。
 肥料の三大要素、窒素・燐酸・カリが良く吸収されるためには、微量要素と呼ばれているものが重要な役割をはたします。これらはアイアン、マグネシウム、マンガン、コッパーでみなメタル(金属)です。これらが水に溶けた状態でなければ植物に吸収されないので、溶けるためには酸性の状態が必要となります。砂地は排水性に優れて保水性は貧弱です。いつも乾燥していて肥料は植物が吸収する前に流されてしまいます。粘土質の土は排水性が貧弱で保水性は良すぎます。例えば、5ガロンサイズの植物を植えるための穴を掘り、その穴に水を地表までいっぱい入れて、10分後にも水が半分以上残っている場合は粘土質と考えてもいいでしょう。
 植物が必要とする酸素(空気ではありません)は供給不足になりがちです。酸素を供給するのは水なので理屈にかなっていると思います。土壌改良剤は砂地用と粘土質用があるので、適したものを使用しましょう。植える際に一番注意しなければならないのが、深植えです。これは致命的です。コンテナの土の表面が地表面より1~2インチ高くなるように植え、周りに盛り土をして水が浸み込んでいくようにしましょう。盛り土がないと水は地表面近くに拡散してしまい、ルーツゾーンに達しない場合があります。穴を掘り、水を入れて、その水がなくなってから植え始めましょう。
 穴を深く掘りすぎると、後で地盤沈下と同じような現象が起きて深植えと同じ状態になることがあるので、穴の底の土と土壌改良剤を混ぜたものは充分押し固めてから植えましょう。施肥や剪定、セミナーでの質疑応答は次回に。
 10月後半に、講師の白澤さんが自宅で育てたきゅうりを持ってきてくれました。きゅうりの下に空気の入る地下室を作ったとか。私は教えてもらったとおり、ナスを切り戻したら今でもナスがなっています。来年もセミナーを計画しています。よろしければご参加ください。今年も残り僅かですが、お身体にお気を付けて、良い年をお迎えください。


■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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