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コラム

今月の庭仕事
Lesson 167

2016-07-13

夏のこの時期、いろいろな野菜が収穫期に入っています。そこで今回は、収穫する少し前の野菜栽培について話します。実を美味しくしたり大きくするために参考にしてください。ここに書くことは、野菜がほぼ順調に育っている状態を想定しています。肥料、水やり、土の状態、天候など、悪い条件下での生育にあるもの、すなわち生育不良のものには適用されないので、ご注意ください。

 植物の一生には、ある一定の時間と成長過程があります。発芽するには適した温度や水分量などが必要です。一般に発芽そのものに肥料分は必要ありませんが、発芽後に必要です。ジャガイモ・サツマイモなどの芽はそれぞれの芋の中の養分を使って出てくるので、しばらくは肥料に対する要求度は低くなります。

 次のステップは、体を作るための成長です。いろいろな好条件の下で大きくなります。この後が “種 ”の繁栄のために“実”を作ります。自然界では上に記述した過程が、同時進行する場合が多く見られます。

 さて、ここから後半期のらっきょう、ミョウガ、トマト、なすの取り扱い方についてです。らっきょうは、収穫されている頃だと思います。らっきょうを大きくするには、葉が自然に黄色くなって枯れるまで待ちます。これは百合やチューリップなどの園芸植物でも同じです。葉が枯れるまで自然に長い時間を与えると、葉に残ってた養分が来季の成長に備えてらっきょうに戻ります。そして、来季には大きならっきょうがなります。人がする貯金に似ているところがあります。

 ミョウガを大きくする、または多く育てるには、収穫する夏か秋までに、茎を大きくして、収穫の2ヶ月前くらいから、肥料をリン酸分の多い追肥に変えます。これは、ミョウガは花の分化したものなので、花を咲かせるリン酸分が必要だからです。逆に、窒素分をやりすぎると、花芽、すなわちミョウガの分化が遅れて収穫が落ちます。

 トマトの甘さは、日光と水分の量で決まります。ある程度大きくなったら、実の大きさは犠牲になりますが、水を以前より控えましょう。以前にも書きましたが、成長の前期に、窒素分が他の要素に比べて多すぎると、実のなりだす時期が遅れ、トマトの収穫期間が短くなるので気をつけましょう。

 なすは、暑さやレッドスパイダーマイツの害、実のなりすぎで木が疲れるということがあります。こうなったら、2、3本の枝を地上より10〜15センチまで切りもどし、枝の更新をして秋なすの収穫を待ちます。この作業は、気候の悪い時期になすを休養させて新しく元気な「なすの木」を作ります。周りの小さな根をスコップなどで切り(スコップを突き刺すだけで、掘り返さないこと)、肥料をやり、普通の水やりを実行してください。

■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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