後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第368回 英女王のあだ名は「ガン・ガン」?
2016-03-31
エリザベス女王陛下。
九○歳の誕生日(四月二一日)を祝うドキュ.メンタリ番組を撮影していた席でのこと。
女王の曾孫ジョージ王子が女王につけたあだ名を母親のキャサリン妃が披露した。
王子は女王を「ガン・ガン」(Gan Gan)と呼んでいるという。
拳銃を「ガン」(Gun)、すらりとした脚を「ガム」(Cam )というが、ともに生後二歳八ヵ月の王子の言葉とも思えないし、母親の妃にも不可解な呼び名だそうだ。
あだ名は外見や行動の特徴を言葉にしたり、ごろ合わせで表現することがよくある。
戦争に明け暮れたナポレオンは「食人鬼」と呼ばれたし、黒船の威嚇で日本に開国を迫ったペリーにも「赤鬼」というあだ名がついていた。
古代ローマの軍人政治家シーザーははげで女たらしだったから、陰で「はげの女たらし」と呼ばれていたらしい。
ナポレオンは行動力で、ペリーは外見で、シーザーは外見と行動力で恐れられていた証だ。
信長は部下の秀吉を「ハゲネズミ」と呼んだ。
秀吉の奥さんネネが信長に女遊びの派手な秀吉を叱り付けてほしいと願い出た。そのネネに宛てた信長の手紙が残っている。
要約すると「最近のネネはますます見目麗しくなり、りっぱな女房だ。なのに浮気に精を出すとは藤吉郎(秀吉)め、けしからん。きっとこの俺があのハゲネズミを折檻してくれるわ」
英雄、色を好む。シーザーも秀吉もその例外ではなかったようだ。
物産品を口にすることの多い安倍総理は食後の感想に「ジューシー」という褒め言葉をよく使う。そのせいか誰いうとなく「ジューシー安倍」と呼ばれているらしい。
東京オリンピックの一九六四年当時、安倍少年についたあだ名は語呂合わせの「アベベ」。マラソン金メダリスト、アベベは時の英雄だった。
「私は当時十歳。よく覚えています、アベベ。私の名前が安倍だから学校ではアベベと呼ばれていました」
女王にも総理にも人のつけるあだ名にフタするスベはないようだ。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。