後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第372回 詐欺的集金団体の甘言に乗るな
2016-04-28
災害時には善意と詐欺が付きものだ。
熊本地震の翌日、台湾が義捐金一千万円さらに五千四百万円を追加し、その即決の厚意に我々は驚きかつ感謝した。
高雄市の市長は月給一か月分そっくり義捐金に充てるという。
東日本震災時の義捐金二百億円余には唖然としたが、台湾の厚情に改めて感謝申し上げる。
往時はゴルファー石川遼の寄付等が、話題になった。
ツアー賞金全額八千九百万円とお金に換算したバーデイ、イーグル分を全額寄付し、寄付の総額は一億三千三百四十八万円になった。
さらにユニクロの柳井社長が十億円、三菱商事が四億円、SMAPも個々に合計四億円以上を寄付、被災地への思いやりを形にした。
同じ寄付でも「義捐金」、「支援金」と名称が変われば扱いも変わる。
金が動けば課税されるが、日本赤十字社や公式認可のNPO、NGOに送れば非課税になる。
LAから送る場合も総領事館や南加日商等公式認可の団体を通して寄付することが肝要だ。
例の「義捐金」はNPOから市町村を通じ被災者に渡されるお金で、復興事業には使えない。
問題は公正を期すため調査が必要で、被災者の手に渡るまで時間がかかることだ。
「支援金」は被災地で活動しているNPO等の活動資金に充てるもので、被災地の実情に合わせてNPOで自由に使えるお金のこと。
慈善活動には何かと紛らわしい催しが多い。
歌手のGACKTが設立した「SHOW YOUR HEART」はチャリテイーを謳って七千万円以上を稼いだが、寄付はわずか二百万円に過ぎなかったそうだ。かと思うと新発売GACKTモデルの売り上げ全額を熊本被災地に寄付するという。
街頭の募金活動は偽者の踊り場だ。
「NPO緊急支援グループ」を名乗る自称NPOはアルバイトを使って三カ月で二千五百万円を集めていたという。
東日本震災十八日後の義捐金詐欺は百五十八件にも上ったそうだ。
詐欺的集金団体の甘言に乗らないこと。善意のお金は正しく使って初めて生きるものだ。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。