今月の庭仕事
Lesson 171
2016-09-14
野菜作りもしばらく暇な時間になりましたので、今日は、庭のスプリンクラーの修理などについて書きます。
庭園業に携わっているとよくスプリンクラーを壊しますが、そのスプリンクラーの地中の部分が大きな木の根などに巻きつかれているのを直すのは、なかなかデリケートな仕事です。この状態だと、上に飛び出すスプリンクラーの頭が上がらなかったり、潅水の時間が終わっても頭が引っ込みません。
まず大工用の大きなノミを使いながら巻きついた根を少しずつ削り取ります。このようにすると下のパイプを壊すことなく取り除けます。ピックなどで作業をする細かい仕事ができないので、下のパイプを壊し、面倒な修理作業になる恐れもあります。
他には壊れたパイプを繋ぎ合わせることです。ホームセンターに行くとその部品を売っていますが、簡単にできる修理は、曲げられる flexible pvcパイプを使います。これをある程度の長さに切り、両端にパイプのサイズにあった couplings を付けて使うと、つなぐパイプが正確に align していなくても上手くできます。
他の問題は、昔に設置したスプリンクラーの頭が非常に短いものです。これを取り替えようと散水能率のいい高いものを使うと、どうしても高くなりすぎて芝生刈りの時に邪魔になります。この状態を直すには、スプリンクラーの頭とパイプの間に自由自在に曲げられる tubeを使いましょう。このtube にはすでに必要な部品が両端に取り付けられているので、取り付け作業は簡単です。スプリンクラーの頭を地面と同じ高さにするのも容易です。
その他によくある問題は、何かがスプリンクラーの水の出る穴を塞いでいる状態です。これだと水が出なかったり、出ても部分的です。これには大体三つの原因が考えられます。一つは、スプリンクラーの頭が回りの地面より低くて、スプリンクラーが止まった時に頭の回りのものが水と一緒に逆流して、スプリンクラーの穴の中に入ってしまう。二つ目は、パイプの中のグルーが取れて穴を塞ぐ。
三つ目は、アンタイサイフォンバルブ( anti-siphons valve )の空気用の隙間から、水気を求めてやってくる虫やゴミが入り、スプリンクラーの水が出ると、パイプの中を流されてスプリンクラーの穴を塞ぐ。これはバルブの隙間を細かいネットで囲うとなくなります。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。