今月の庭仕事
Lesson 172 植物の健康について
2016-09-28
暑かった8月が終わり涼しい9月に入ったと思ったら、暑さが戻ってきました。涼しい日が続いた後の急な暑さはより一層暑く感じます。植物も同じです。涼しくなったからと油断してると、急な暑さにとどめを刺されるということになりかねません。まだ暑さや水不足のダメージからの回復の途中です。くれぐれも注意を怠らぬようお願いします。
植物は人と同じで体調を崩すと病気になります。水不足は早い時点で水を充分に補給すれば回復しますが、元気がない状態が長く続くと、今度は病気になったり害虫に対する抵抗力が低下します。こうなると病害虫に対する殺菌剤・殺虫剤の散布が必要になります。
空を飛んでいる害中は、元気のない、抵抗力の下がっている植物に攻撃を仕掛けますが、一体、どうやって元気がある、元気がないと見分けているのでしょうか。
テレビ番組などで、人体の表面の温度の違いを色分けして表示した画像(サーモグラフィー画像)を見たことがありますか。温度の高い部分はレッドで表示され、確か温度の低い方へ向かって、オレンジ、イエロー、ライトグリーン、グリーン、ブルーという具合に、徐々に色が変化していったと記憶してます。害虫は私たち人間とは異なり、物をサーモグラフィー画像として認識しています。
植物は根から吸収した水分を蒸発させることによって、植物自体の温度の上昇を防いでいます。そして健康な植物はブルーやグリーンに見えて、水分の循環がうまくいってない不健康の植物はレッド、オレンジ、イエローに見えるはずです。そして、レッドの植物に向かってまっしぐらというわけです。
私のカスタマーの家から三軒隣に、高さ30フィートはあるイタリアンサイプレスの木が10本ほど並んで植えられていました。一番左端の1本が他の9本に比べて少し色がくすんでいるようにみえました。目の前まで行って原因を調べることはできませんでしたが、半年後には木はブラウンになり、切り倒されてしまいました。
植物の変化に気が付くためには、その植物の健康な時の状態を知らないといけません。今一度、庭を注意して見てみましょう。ひょっとしたら小さな変化に気づいてあげられるかもしれません。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。