今月の庭仕事
Lesson 175 室内植物の管理
2016-11-09
冬になるとクリスマス用のポインセチアやシクラメンなどが室内を明るくしてくれます。しかし、せっかく季節を盛り上げてくれる植物も、ある程度の世話を怠るとすぐに駄目になることがあります。
元々どのような植物でも最初から自然に室内で育ちません。室内の観葉植物も元々は外で育つ植物です。室内で元気に生長しているように見えるのは、その植物が育つ野外の環境を、人間が室内で真似ているからです。または植物がその環境に応じて適応しているからです。
植物が育つのに適した環境はビルディングや家の一部分にしかありません。適さない部屋の中では、植物に無理がくることがよくあります。
例えば、葉と葉との間が広がる間伸び、細い茎、光の来る方向に伸びる生長、空気の流れが少ないことに起因する害虫の発生、鉢の中だと酸素が少なくて古い水分の過多などが見られます。
室内で植物を育てる時に基本的に考えなければならないことは、次の通りです。自然の環境から人工の環境である室内に持ち込んできた場合、何を失ったのかを理解し、どのようにして失ったものを真似して創り出すか。これが大きな挑戦となります。室内に持ち込んだ植物の種類によって、新しい環境での対応は異なるので、注意が必要です。
植物を室内に持ち込むと生育環境として失うものはたくさんあります。しかし、ここでは重要な点に絞って対策などを考えます。
また、みなさんに覚えておいていただきたいのは、植物の生長の良し悪しは一つの要因だけで決定するのではありません。多くの要因がうまく組み合わさった時に初めて良い結果が出ます。大きな要因だけをあげてその対策を考えがちですが、決してそれだけでは良く育ちません。育てる植物の種類や品種、適切な栄養分の補強なども大きく関わってくることを忘れないでください。
このテーマは次回に続きます。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。