今月の庭仕事
Lesson 176 室内植物の管理
2016-12-07
前回に続いて室内植物の管理要点についてです。空気中の湿度は一般的に室内が低く、戸外が高いです。特に暖房を入れている場合はその差が大きいです。室内の乾燥の度合いによって葉が落ちたり、害虫が発生したりします。
植物の周りの空気の湿度を高めるには、販売されている蒸留水を霧吹きで葉にかける、冬場の暖房が入った室内などの湿気作りにやかんやhumidifierなどを使う、または室内の温度を少し低くするなどが有効的です。普通の水道水を霧吹きで幾度も使うと水道水の塩分が葉の表面に残り、白っぽくなって見た目が良くありません。また、冬に冷たい空気を温めると相対湿度が非常に低くなるので、さらに注意が必要です。
日光の量も戸外と室内では大きく違います。室内に置かれた植物はだいたい窓から入ってくる光の方向に伸びるので、育ち方のバランスが崩れます。この傾向が出てきたら、時々、鉢を少しずつ回しましょう。
戸外と室内では、灌水の回数とその量によって植物の育ち方に大きく差が出ます。外の地面で育つ植物は広い面積で地下と地表面の排水能力があるので、少しくらい多めに水をあげても根腐れで植物が死んでしまうのは稀です。しかし室内で育てている場合は、風によって運ばれていってしまう葉の表面と鉢土の水分の流失がなく、鉢の底にある排水用の穴が小さかったり、穴の数が少ないので、水をあげすぎると根腐れを起こします。室内の植物が死ぬ大半の理由は、根腐れからくると言っても過言ではないでしょう。水をあげる目安として、土・鉢土の表面が水分を失って白っぽくなってきた時です。表面が黒っぽい間は下から登ってくる水分が十分にあることの証明です。
室内で植物を育てる場合に起こる大きな弊害はだいたい、空気の湿度が低いこと、通風が少ないこと、日光が不足すること、鉢土の古い水の水分過多などです。これらのことに注意しながらその適応策を考えれば、室内植物でも長く鑑賞できるでしょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。