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コラム

今月の庭仕事
Lesson 179

2017-01-25

 新年あけましておめでとうございます。
 今年は雨が多いですね。雨で一週間手入れができなかったカスタマーの庭に行って唖然としました。冬の芝生を緑に保つために一年草の種を撒いた所は真っ緑になっていました。伸び過ぎて刈るのに一苦労、ついでに芝生の中の雑草まで一緒になって伸びるので二苦労。発芽防止剤を散布しない花壇などは目も当てられない非惨な状態です。雨の後、地面が柔らかいうちに種を作る前に引き抜くと後々が楽です。大きいのは引き抜いても後に小さいのがいっぱい芽を出しているはずです。こうなると殺草剤を散布するしかないでしょう。
 何を散布して良いか分からない時、ホームセンターに行く前に散布したいエリアの写真を撮ってホームセンターの店員さんに写真を見せれば、選んでくれるでしょう。ノンセレクティブ(選別性のない)の殺草剤はレディトゥユーズ(すでに水と混合済み)があり、コンテナにトリガーが取り付けられていてすぐに散布できるので、ホームオーナーにはお勧めです。
 コンセントレイト(濃縮液)タイプは、通常スプーンで原液を計量し、これに計量した水を混ぜて使用します。コンテナに残る原液の量が多いので、コンテナの保管には十分気をつけましょう。直射日光が当たらない所に保管して、子供や動物にも注意が必要です。これで三苦労。
 去年の秋に春咲きの球根などを地植した人はちゃんと球根の上部のエリアを除草しましょう。雨が降ると、地中に固定されていた養分が水に溶けだして、植物に吸収できる状態に変化するので植物は成長します。雨水によって、地中の塩分濃度が下がるのも成長の大きな理由の一つです。
 寒い時期は地中温度も下がっているので、化学肥料は植物に吸収可能な状態に変化する前に、あるいは変化することができずに根の範囲を通過してしまい、役に立たないので、使用は控えた方が賢明です。
 では「寒肥とは何?」と疑問が湧きますよね。寒肥とは、植物が成長し始める春に、植物に吸収可能な状態に変化している肥料のことで、分解速度の遅い有機堆肥が主なものです。チキンマニュア、ステアマニュアなどが適しているでしょう。ソイルアメンドメントと袋に記載されていることから土壌改良剤としての役割もあります。これらと一緒にリン酸が主成分の骨粉(ボーンミール)も散布するといいと思います。最後に注意事項を一つ。リン酸は必ず地中に混ぜ込んでください。根のある所に溝、あるいは穴を掘って施してください。地表に散布するだけでは、効果は激減してしまいます。


■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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