今月の庭仕事
Lesson 178
2017-01-11
新年おめでとうございます。今年もいっぱい、花や野菜をつくって楽しみましょう。
2017年最初のトピックは冬場の剪定と肥料のやり方です。ここでは公園や家庭の庭などに最も多く植えられている「ハイブリッド・ティー」を中心にして話します。大体の目安としてください。
バラは多年生の植物です。冬場の剪定をしないで育てると、とても込み入った枝ぶりになって花は小さくなり、葉などに付着した病原菌はそのままです。冬を越した後はバラの木自体が大きくなりすぎて、庭の他の植物とのバランスが崩れてしまいます。バラの剪定は前述した事柄を防ぐ手段となります。
剪定の時期は葉の落ちた後が理想的ですが、南カリフォルニアは暖冬で、特に日の当たる壁際などに植えられたバラは冬でもなかなか葉を落としてくれません。このような場合、1月に入ったら剪定を始めてもいいでしょう。しかし、あまりも早いうちに剪定すると突然の寒さに新しく出た芽がやられてしまうこともあるので注意しましょう。
冬の剪定は地面ギリギリまでやらければ、春になるとどこからでも芽がふいてきます。ただし枝が古くなって長年も何も変化がない場合は芽が出ないこともあるので、古い部分を避けて普通より少し高めに剪定してください。私はあまり低く剪定せず、人の丈くらいに高く伸ばして、風がよく通る垣根風にしています。
肥料をやるタイミングは少し暖かくなって新芽が動き出す直前でいいでしょう。肥料は窒素、リン酸、カリが同じパーセントで含まれていたら間違いないでしょう。これは栄養分の偏りからくる不自然な形の成長を正してくれます。植物の中の三権分立でお互いをチェックして一要素の暴走を防ぐからです。
しかし砂地の場合は水はけが良くて、特に窒素分が空中に逃げたり水に溶けて流れるので、少し窒素分は多めにしましょう。ひ弱に大きく育つ場合はリン酸を多めにしましょう。生育の途中での追肥は、生育の様子を見ながらやるのが一番ですが、化学肥料の追肥の成分はだいたい2ヶ月から3ヶ月くらいもつので、このくらいの間隔でいいでしょう。秋口に木の勢力が衰えてきたら、中位の高さで剪定して肥料をあげると、また花がよく咲きます。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。