今月の庭仕事
Lesson 181
2017-02-22
今年の冬は雨が多いですね。カスタマーの家でなんと2、3年ぶりに、冬期休眠をしている芝生に、冬期間に芝生を緑に保つための一年草の種を蒔き、散水制限で被害を受けたクールシーズンローン(主にマラソングラス)を回復するための種を蒔くことができました。水の使用量が増えるため、なかなか実施できなかったのですが、これで見違えるような芝生になるはずです。
一年草の種には2種類あり、一つは以前から使用されているスタンダードな種(アニュアルライグラス)で普通の芝生の種に比べると格安です。成長が早いので種を蒔いて1〜2週間で真っ緑になりますが、必ず1週間に1回は刈らないといけません。雨などが降って1週間も芝刈りをスキップするともう目も当てられません。高く伸びすぎて刈るための時間が、通常に比べて2〜3倍かかってしまいます。
二つ目は、ここ2、3年で発売された種です。発芽するための環境は前に述べたスタンダードの種とほぼ同じです。最大の違いは成長速度です。普通の芝とほぼ同じでメンテナンスが非常に楽です。
通常一年草の種は茶色に変色した芝生にしみ込んだ水分で発芽することができるので、シードカバー(種を上から覆って湿気を保ち発芽を促進する材料)は不要です。種を蒔いた後に草の上部にある種をハイプレッシャーウォーターで草の下部に漉き込めば、より完璧です。あくまで種が流れ出さない程度の範囲での話です。
芝生を修復する際には、修復するエリアにトップソイルをいれて平にすることを忘れないようにしましょう。凸凹の状態で種を蒔いてしまうと、シードカバーを平らにしても芝生を刈る時に凸凹して刈りにくいです。シードカバーは厚すぎると発芽しても、日光を捉えて光合成ができません。薄いと散水でシードカバーが流されてしまい、種が露出して湿気を保持することができず発芽することもできません。また雀などの鳥に食べられてしまう可能性もあるでしょう。
肥しも、発芽後の根の成長を促す種用のものを使用しましょう。芝生の種の発芽と同時に、土の中にあった雑草の種も同時に発芽し始めるので、その対策も必要になります。
結構めんどくさいものなんです、種を蒔くということは。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。