今月の庭仕事
Lesson 182
2017-03-01
今回は、野菜や花を鉢・プランター植えにする場合の土、水やり、肥料のやり方などについて説明します。
まず土です。水はけを良くすることは鉢植えも地植えも同じですが、土の場合、水は横の方向にも逃げることができます。しかし鉢の場合はあげた水が抜けるのは鉢底の穴だけです。この穴の数が少なかったり小さすぎる場合が多いので、鉢底に小石などを敷いて水はけを助けてあげましょう。注意しなければならない点は、成長して大きくなる植物を鉢に植える場合は、後で根が穴を塞いでしまうことがあります。その時は大きめのスクルードライバーなどで穴を開け直しましょう。
鉢植え用の土は原則として水はけは良好です。しかし植える植物によっては水はけが良すぎてしまう場合もあります。小さな鉢では特に水やりが大変なので、出来るだけ大きめの鉢やプランターに植えましょう。それでもまだ水はけが良すぎる時は、鉢用の土に、普通の土または販売されているガーデン用の土を少し混ぜると、水やりの回数を減らすことができます。鉢植えの場合、地面に植えられているものに比べると潅水の頻度は多くなります。
前述のとおり、鉢用の土は水はけが良いように作られています。おまけに鉢の中に保存される水分の量は限られています。水分は植物そのものが吸収したり、風で運ばれてしまったり、斜め方向から鉢に当たる太陽の熱で蒸発してしまったりと、損失が速くなります。地面に植えられている植物の場合は、その周りからの補給もあるので、同じ量の水をあげても長くもちます。
鉢植えの場合の肥料のやり方についてお話しましょう。肥料を多く与えすぎると肥料焼けを起こしたりするので注意しましょう。与えた全ての肥料は、鉢の構造上、鉢の中に留まるので、鉢の土が乾いていると肥料の濃度が高くなり影響はより深刻になります。肥料焼けを避けるには鉢土が乾いている時は肥料をあげない、肥料袋に書かれている量より少なく与えることです。しかし、肥料を与える回数は増えます。鉢に水を与えると、余分な量は外に抜けていきますが、この時、鉢の中の養分を溶かしながら水は外に出るので、肥料の回数が増えます。
以上のことに注意しながら手軽な鉢植えを愉しみましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。