今月の庭仕事
Lesson 184
2017-04-05
トマト、ナス、キュウリは夏野菜の御三家ですが、今回は育て方の違いや共通点などについて考えましょう。
まず共通点は、春植えで、連作障害に弱い点です。南カリフォルニアは広く、地域で寒さが異なるので、植える時期は地域によって差が出ます。海岸に近い地域では早めに植えられ、遅霜のくる恐れのある地域では朝夕が暖かくなるまで待つのが賢明かもしれません。また他には“連作障害”に非常に弱い点です。これは毎年同じ野菜を同じ場所で栽培すると、バイラス、害虫、微量要素の欠乏によって起きます。連作障害を避けるために、同じ場所には毎年作らず、異なる野菜を植えて輪作にしましょう。鉢植えは2年ほど鉢の土を取り替えるか、異なる野菜を植えましょう。
トマトは霜がこないという保証があれば一番早く植えられます。植える時期は、最初の花が咲いてから植えるのをお勧めします。これは栄養分などのバランスや温度など、実をつける状態だということです。トマトに肥料を与えすぎると幹や葉が大きく茂りますが、花が咲き始めません。また夜が寒いと花は咲いても落ちてしまいます。トマトは体内の状態と外の環境がうまくかみ合わないと実を結びません。また甘味を出すには、トマトに影を落とす葉を切り取って、トマトにお日様が当たるようにしてリン酸を十分与え、水を控えめにするのがコツです。
ナスはも暖かい地帯の野菜なので暖かくなってから植えるのがお勧めです。こちらでは空気が乾燥すると葉ダニが発生します。葉ダニは寒さと湿った環境が嫌いなので、夕方に葉に水をかけると被害を少なくできます。7月下旬に大きな枝を少し残すくらいに切り戻し、スコップで周りの根を切り、肥料をあげ、水をやると秋に良い秋茄子がなります。
キュウリも植える時期は暖かくなってからです。キュウリは水と肥料の管理をうまくして、生長が止まらないように育てるのがコツの一つです。このどちらかが悪いと、実が曲がったり、部分的に細くなったりします。根が浅いので水の供給を一様にするため、落ち葉などで厚くマルチをしましょう。また、水やりなどで跳ね上がった土から葉に病気が始まることもあるので、下方の葉は5枚ほど取り除きましょう。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。