後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第434回 日米歴代トップのランキング
2017-07-13
人は自分に甘く他人に厳しいもの。自分より恵まれていたり、えらそうだと遠慮しなくなる。
「出来損ないのくせに」などとケチをつける。「人の振りみてわが振り直せ」。自分を省みず人のことを言うから「出来損ない」は実は自分なのだが、そこに気づかない。
しかし仕事振りを批判してよい人もいる。国、人のため働く大統領とか首相の仕事振りだ。彼らの月給が私たちの血税から出ているからだ。
議会活動を専門に放映しているC・SPANが百人近い歴史学者に頼んでこの三月、指導力、ビジョン、正義感など十項目について歴代大統領をランク付けした。
それによると、一月末に職を去ったオバマ氏のランクが歴代四三人中一二位だった。
事情通まで驚いた。クリントン一五位、ブッシュ父子二○、三三位、フォード二五位、カーター二六位、ニクソン二八位より上位だったからだ。
トップ3はリンカーン、ワシントン、F・ルーズベルトで、同性愛ブキャナンは最下位だった。
大衆受けのケネデイは八位、中曽根元首相とウマが合ったレーガンは九位だった。
次に戦後日本の歴代首相をみてみよう。読者アンケートによる日経と朝日のランク付けだ。
日経(一一年七月)によると、一位吉田茂、二位池田勇人、三位中曽根康弘、四位小泉純一郎、五位佐藤栄作、六位岸信介、七位田中角栄、八位大平正芳、九位橋本龍太郎、一○位小渕恵三で、安倍晋三は一八位だった。
朝日(○九年九月)では庶民派田中角栄が一躍トップに躍り出た。
以下、吉田茂、小泉純一郎、三木武夫、佐藤栄作、池田勇人、中曽根康弘、村山富市、石橋湛山、細川護煕の順だ。
「最も評価しない」一位は女性問題の宇野宗佑、四位が安倍晋三だった。もし今月現在で安倍を評価すれば朝日はビリ、日経とて三○位以内というわけには到底いくまい。
米大統領の業績は学者が自分の専門分野で評価する。日本の学者は首相の評価を絶対しない。
政治に巻き込まれたくないのだ。日本の学者がいかに現実離れにうつつを抜かしているかこの一事でわかる。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。