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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第431回 国会を愚弄し続けた祖父と孫

2017-06-22

とんでもない総理大臣を持ったものだ。
国連、各国の見ている中だ、その粗暴、卑怯を恥じ入るばかり。
十八日に閉会した今国会は惨憺たるものだった。
前川前文科省事務次官が暴露した〝総理の意向″を示す例の文書はどうやら存在したようだ。
しかし森友、加計両学園と安倍総理の関係はいまだ闇の中。
用地を巡る内幕に総理の影がチラチラするが、徹底して否定、シラを切るつもりのようだ。
加計隠しに、批判相次ぐ「共謀罪」(テロ等準備罪)の成立を急ぎ、会期延長を回避するため、法務委員会の採決を飛ばすという暴挙に出た。
「共謀罪」を成立させた六月十五日は、奇しくも五十七年前(一九六○年六月十五日)の乱闘国会で新安保条約を成立させた当日にあたる。
反対デモに参加していた東大生の樺美智子さんが機動隊と衝突、圧死。
全国的な猛抗議の中で安倍総理の祖父、当時の岸信介総理はアイゼンハワー米大統領の訪日延期を決め、即、総辞職した。
孫の安倍総理は国有地横流し疑惑、「共謀罪」奇策採決に加え、天皇の退位を一代限りの「特例法」で済ませ不況を買っている。
憲法の命じる「皇室典範」で皇位を継承すると、二○年までの憲法改正に支障をきたすと踏んだらしい。
 天皇が総理のやり口に不満をもらし、宮内庁、内閣府に伝え、新聞にも掲載させるという前代未聞の事件だ。
親王派右翼がなぜ怒らないのだろう。
右翼の総元締め「日本会議」が安倍総理の憲法違反を黙認しているのか。陰の警察庁が「日本会議」に甘いのか。
「共謀罪」の狙いについて国連のJ・ケナタッチ特別報告者は懸念の書簡を寄せている。
「法の広範な適用は、プライバシーと表現の自由への過度の制限に繋がる」としたが、内閣は「個人見解」と無視した。
党の方針を強いる党議拘束と造反への厳罰、党議拘束に続く強行採決は党独裁の核心だ。
 自民党の四割近く、安倍内閣の閣僚五割(安部総理、麻生副総理ら九人)を占める世襲議員の奥の手で、「共謀罪」もこれで成立させている。
自由民主党は非自由非民主党と名を変えよ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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