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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第430回 全米一の産業州を目指すテキサス

2017-06-15

カリフォルニア(加州)とりわけ米国第二の都市ロサンゼルス周辺企業の州外脱出が断続的に続いている。
航空、軍需、自動車等は加州に見切りをつけ新天地に根付いている。
ノースロップ・グラマンがバージニア州ウエストフォールズ・チャーチに本社機能を移したのをはじめ世界一のミサイルメーカー、レイセオンもテキサス州マッキニーに転居している。
自動車最大手のトヨタは今年中にLA郊外からテキサス州プレイノへ転居を終える。
日産は十年前、テネシー州ナッシュビルに移転、ホンダも四年前、販売部門を残しオハイオ州メリーズビルに転居。
三社とも日本製車を日本から最短のロングビーチ港(LA郊外)に陸揚げ販売していた旧体勢から、摩擦を生まない現地生産に移行、LAにいる意味がなくなった。
企業が加州を見捨てる理由はほかにもある。
日系企業特に日本車を敵視する政治家や官僚、厳しい規制、絶え間ない訴訟、全米一高い所得税や最低賃金等に経営陣はうんざりなのだ。
主な転出先はテキサス、ネバダ、アリゾナ、コロラド、ワシントン、オレゴン、フロリダだ。
中でも人気が高いのはテキサス州(LA在住・倉石灯著「資産家たちはなぜ今、テキサスを買い始めたのか?」を参照のこと)。
フォーブス誌によると、テキサスは全米五十州中、ビジネス最適地七位。
加州で数年かかる工場建設を素早く認可、約半年で完成をみると言う。
一一年以降、タイタン・ラボラトリーズ、ゼリス・ファーマシューテイカルズ、スーパーコンダクター・テクノロジーズ、パシフィック・ユニオン・フィナンシャルを含む大手三十社が転出先にテキサスを選んでいる。
「働きやすく暮らしやすい」が売りで、個人所得税は無税、生活コストを二五%から四○%セーブできるそうだ。
一番人気は州都のオースチンで、以下ダラス、ヒューストン、アービング、プレイノ、フォートワースと続く。
自衛に銃器を携える西部劇さながらの男女。
自由で野性味溢れるテキサスは今、全米一の産業州となって蘇ろうとしている。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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