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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第425回 サイコパス対サイコパスの戦い

2017-05-11

「祖父は首領様、孫は元帥様、親父は将軍様。(己の)肩書きは上から主席・総書記・委員長」。
参議院議員、元特命担当大臣、渡辺よしみさんは北朝鮮・金正恩に関するFBメモの冒頭に以上のように書き込んだ。
渡辺さんは続けた。
「祖父は朝鮮戦争の教訓から『米国とは戦争するな』と言い、親父は対米挑発繰り返しつつも米国を恐れた」。
「孫は米国を恐れないどころか、宗主国中国にさえ一度も出向いていない。叔父貴を九○発の銃弾と火炎放射器で処刑、異母兄をVXガスで暗殺」。
渡辺さんは金正男を暗殺した時点で金正恩をサイコパス(人格異常者)だと思ったそうだ。
サイコパスは百人に一人くらい存在する冷酷な合理性を持つ人格のことで、脳科学者の中野信子さんはトランプ大統領もサイコパスだと言う。
根拠のない自信にあふれ、既存のメデイアを嫌い、人、女性をモノとして扱い、利害が一致した相手とは親しくする、のだそうだ。
さらに、善悪を正しく判断する能力を欠き、己の利益のみ考え、他人を平気で利用し、残忍なことも平気でこなし、その行動に良心の呵責も見られない、という。
脳構造上、ホ乳類脳とハ虫類脳に二分されるが、金正恩もトランプ大統領もハ虫類脳が優勢な人物なのだという。
歴史上の人物にサイコパスを求めると、チンギスハン、チムール、スターリン、ヒトラー、毛沢東、ポルポト、金正日ら目的を達成するため手段を選ばなかった極悪非道の群像に行き着く。
トランプ大統領は既に、最新装備の大軍団に等しい空母船団を戦闘海域に出動させている。
瞬時に実弾数千発を北朝鮮の軍事基地に打ち込む体勢に入っている。
向こう見ずの金正恩は「米空母など一発で仕留めてやる」と一歩も引き下がる気配はない。
万一、核戦争になれば朝鮮半島の人々は歴史から姿を消し、日本の米軍基地周辺県は第二次大戦以上の被害を蒙るだろう。サイコパス対サイコパス、ハ虫類脳の対決だ。
日米に歴史的打撃を与え自らも死ぬ覚悟の金正恩に、さすがのトランプも手を焼いている。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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